フリーズ・ロンドン 2006

HAPPENINGText: Sayaka Hirakawa

アートマガジン「フリーズ」が主催する、英国最大規模のアートフェア、フリーズ・アート・フェアが、今年もリージェンツ・パークの特設会場で開催された。4回目となる今回は、150を超える世界中からのギャラリーが参加し、それぞれの誇るアーティストの作品をずらりと並べた。

もともとは若手アーティストの作品発表の場所を意図して開催されていた同フェアであるが、もはやそんな雰囲気は微塵も感じられない。イギリスだけでも、トレイシー・エミン、ダミアン・ハースト、サムテイラー・ウッズ。右を向いても左を向いても、とにかく現代アートの有名どころばかり。それが一度に1000作品、というのは、贅沢!というよりもはや、お腹いっぱいなのにやめられない、大食い競争にまちがって参加してしまった子供のような気持ちになること間違いなし(?)

デパートのセルフリッジズの中のそれぞれのブランドのように、ギャラリー同士も白いパーテーションで区切られている。お買い物気分にさせようという魂胆?

そんな中で、オーディエンスがかならず足を止める人気のスポットというのは必ずあって、前述したアーティストを全てかかえるロンドンのトップギャラリー、ホワイトキューブのブースは、広くスペースを取っているにもかかわらず、ぎゅうぎゅうの状態でアートを観賞、というアズマシクナイ事態になっていた。


Tracey Emin

トレイシー・エミンの私小説的な作風は変わらず。ポーイフレンドの名前とか、「誰が結婚してくれるのかしら?」といった文句をちくちく刺繍しているのかと思うと、とっても怖いけれど、乙女なら思わずうなずいてしまうメッセージを感じることも。ピンクに勲章を沢山付けたデザインも、実は割りと好きでした。

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