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ハドソン・パウエル

PEOPLEText: Tim Engel

ハドソン・パウエルは、ロンドンを拠点に、コンセプトとメディアという2つの発展に力を入れるクリエイティブ・スタジオ。ただコンセプトを提供するだけではなく、メディアを拡大の道具として用いながら作品をプロデュースする彼らは、今年10月、札幌ソーソーにて、日本初の展覧展を行う。

まずはじめに、自己紹介をお願いします。

グラフィック・デザインの分野の広くにわたって、一緒に制作活動をしている兄弟、ルークとジョディです。

ハドソン・パウエルは、どのように始まったのですか?

子供の頃から僕たちは、クリエイティブに関して刺激し合ってきました。大学を出てからも、それぞれの活動やプロジェクトで、定期的に関わりを持っていたのです。2004年中盤に、PJハーヴェイのミュージックプロモーションを共同でディレクティングしてからは、正式に一緒に活動をするべきだというのが明確になりました。


Marble Paper, T-shirt, MORE MARBLING

好きな活動分野は何ですか?

全てのプロジェクトは、それぞれ違った見解で取り組まなければなりません。それぞれの概要アイディアや必要性を伝えるのには、その都度異なる媒体を使う必要もあります。僕たちは去年からの間、インスタレーション、フィルム、プリント、インタラクティブワーク、ドローイング、ペインティングなどを手がけてきました。それが、うまく行くためのアプローチであり、プロジェクトを表現するためのより広い言語を与えてくれるものです。

インスピレーションの源は何ですか?

僕たちは2人とも、イギリスの西南地方にある田舎で育ったので、自然がいつも素晴らしいインスピレーションになっていました。ただ一般的に、何が日ごとにインスピレーションを与えてくれるものかは、わからないですよね。会話だったり、音楽だったり、経験だったり。曖昧に聞こえるかもしれませんが、僕たちにとってのインスピレーションは、鋭く目を光らせ耳を澄ませるということからきています。

スタジオが成功している秘訣は何ですか?

ハドソン・パウエルは、ロンドンの友人達とスタジオを共有していて、そのグループを「ハロー・スタジオ」といいます。お互いのプロジェクトでよく協力しあったりしているので、このスペースを活気あるものにするようなコミュニケーションや活動が、常に沢山ある状態です。ハドソン・パウエルの姿勢はこれに反映しているのでしょう。いつも新しいアイディアにわくわくしているということです。何か挑戦しようという動機があれば、仕事は面白さを保てます。


PV, P.J. Harvey

アイデンティティを制作する時に心掛けている事は何ですか?

どんなデザインをする時も、伝えようとするものやヴィジュアル化するものに必要なものを理解することが大事です。単一だったり一方的な方法ではなく、適応性があるダイナミックシステムを採用しています。だからといって、それは早く動くビデオグラフィックというわけではなく、メッセージがより伝わりやすいメディアを選ぶということです。テクノロジーはいつもコミュニケーションに影響していますが、現在の多くのコミュニケーションは、そういうメディアを最大限に利用してはいないと思います。

多くの会社のアイデンティティは、ロゴやカラーやフォントなど、とてもありきたりですが、デザインを施す際、どういった柔軟性があると思いますか?

ダイナミック・アイデンティティのコンセプトが面白いと思います。調整法や適応性が、システムを実際に動かすのに重要なキーです。アイデンティティが発展するには、伝えるものを常に問い続ける事が必要ですし、そのメディアが有効であるかどうかということも、このコミュニケーションに加わってくると思います。


Motion Graphics, MOTOROLA

クライアントやアーティストにフィルムの提供もされていますが、どういうところがが難しいですか?

ミュージックビデオやビデオグラフィックに対するアプローチも、全くプリントやウェブのプロジェクトと同等です。アイディアの後にヴィジュアルの実験がくるところなど。ただ、ひとつ大きくビデオで違うのが、やり直しがあまりきかないというところです。フィルムの作り直しは、常に可能なわけでは無く、できるとしても重たいファイルで時間がかかります。アイディアに対する絶対的な自信が必要です。

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