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レオナルド・ソラス

PEOPLEText: Gisella Lifchitz

つい最近まで、レオナルド・ソラスは、自身を「多目的人工物」と呼んでいた。職人でもありアーティストでもある、プログラマーでもありデザイナーでもある、生徒でもあり独学もしてしまう。そんな彼は、その多岐に渡る好奇心や技術の源は彼の2つの脳半球の絶妙なバランスによるものだと信じて疑わない。むしろ彼の非凡な才能によるものだといいたいだのが。

ブエノスアイレス大学での5年間に渡る哲学の履修から旅は始まった。プログラミングやデジタルアート、複雑なシステムを自分自身で習得。科学や哲学、政治学にも裾野を広げていった。アーティストとしては、国際メディアアートアワード(カールスルーエ/ドイツ)、リードミー 100 ソフトウェア・アート・フェスティバル(ドルトムント/ドイツ)、トランスメディアーレ 06(ベルリン/ドイツ)、第5回 メルコスール・ビエンナーレ(ポルト・アレグレ/ブラジル)、シュツットガルト映画祭(シュツットガルト/ドイツ)といった、国内にとどまらずに沢山の国際的な展示会に参加している。

職人として、レオナルドは、3次元のオブジェクトをデザインするとを好み、多彩な異なった素材を探し求めていく。自宅のキッチンに研究室を作り、そこで長年にわたって仕事をしている。彼は、ノートのカバーにも使っていたフルーツの果肉から作り出したフルーツペーパーといった、新しい素材の開発もしてしまう。また、水溶性の物質や合成/天然の繊維、香辛料、ハーブ、食べ物、羊毛、リネン等といった分野にも歩みを進めた。『内科医になることも考えたんだ。12歳の頃から科学が大好きでね。』と彼は話す。

レオナルドがコンピューターのアニメーションやプログラミングを始めてまだ3年程しか経たないが、既に幾つものローカルやインターナショナルな賞を受賞している。フラッシュを使って始めて作ったアニメーションは「ロードムービー」という短いミニマルな映像だった。『ジェネレーティブ・アートを始めてから、今は他のコトから離れてそういった分野に専心しているんだ。「Geopolio」という協同討論システム、公開討論に似ているけれど地理的に考慮したものになるかな。「m7red」っていう建築共同体と一緒に取り組んでいるんだ。』

『人によっては、僕の仕事は多種多様の異質なものに感じるかもしれないね。だけど、全てに通じて、一つの筋の通ったものなんだよ。』レオナルドは続ける。『バーグソンは、全ての哲学者は生涯にかけて、ただ一つの思想を抱え、全てはただそれを表現しようとした大きな試みである、と言っているんだ。自分も共感できる素晴らしい考えだよね。』

『最近取り組んでいる分野では、どういった結果が出てくるか全く予測できないんだ。』ソラスはそうコメントする。『ジェネレーティブアートと複雑な自立性を持ち合わせたプログラム。それ自身が生命を持っているんだ。』

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