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ツァオ・フェイ展「コスプレイヤーズ」

HAPPENINGText: Samantha Culp

本物のアート界の “スター” が香港で個展を開くのはどれくらいぶりだろうか。シェンワンのパラ/サイトギャラリーツァオ・フェイが個展「コスプレイヤーズ」を開催するのはおめでたいとも言うべきだ。広州出身の若いアーティストはここ数日ドイツから日本へ、そしてニューヨークのチャイナタウンまで飛び回り、香港で行われるこのユニークな個展の更なる成功を祈った。彼女は二月末のある週末に行われるこのイベントの司会をつとめることにもなっている。

彼女のもっとも有名な作品は中国の現代美術が一つにまとめあげられたような「コスプレイヤーズ」で、その内容は十代のコスチュームプレイヤーたちの現実を一連のビデオや写真にまとめたドキュメンタリーである。型にはまらない戦いやドラマチックな冒険の中で急速に発展する中国の南方の都市に対する反発を表現した。この作品は多くの展示会の中ですでに様々に実体化されていた。しかし今回のパラ/サイトでの展示では、ツァオはテーマに沿った環境を作り上げた。

空気で膨らむエアマットをギャラリーの地面に敷き、風船が天井で浮いていた、ビーズが吊るされ、何よりも人間の6倍も大きいマネキンが信じられないような奇妙なコスプレの衣装をまとっていた。ウサギ耳で、セーラームーンの体のマネキンや、頭はダースベーダー、さらに体はボーピープ(マザーグースの話の中に出る羊飼い)、それで手は長い爪のフレッディークルーガーのマネキンもいた、さらにブルースリーやキル・ビルで着ていたような黄色いジャンプスーツをまとったハローキティーもいた。

それで、後の部屋に、彼女のほかの作品が展示されていた。「ヒップホップ」という作品はストリートでヒップホップなダンスを披露する人たちをテーマに、福岡やニューヨーク、そして広州で制作したばかりのものであった。さらに「PRDアンチーヒーローズ」というビジュアル上圧倒的な劇は、ツァオが2005年に広州で開かれた広州トリエンナーレの為に監督し制作したものであった。この作品はテレビや壁に映し出されていて、その周りを「パール・リバー・デルタ」とよばれる赤・白・青の織物や老人の靴、それから安っぽいプラスチックの椅子で囲んでいた。

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