SRL(サバイバル・リサーチ・ラボラトリー)「釣り少年の夢」

HAPPENINGText: Christopher Lenz

“地球上で最も危険なショーを製作する”と言われる、SRL(サバイバル・リサーチ・ラボラトリー)。オフィシャルウェブサイトで彼らの考えが全て述べられている。単にイベントの写真をみるだけで、彼らが造り出す印象的な戦争の脚本をみているかのように、ある当惑の念を感じはじめるだろう

SRLは既に50回ものショーを行ってきた。その殆どはアメリカであるが、ヨーロッパや日本(1997年・1999年、東京)でも行われている。

2002年7月、ロサンゼルスのダウンタウンでの小さなショーのあと、ロサンゼルスのチャイナタウンでもっとも異常な光景の目撃者になるであろうステージへと彼らは取り掛かった。これは間違いなく本当の戦争に限りなく近い体験だったと思う。

彼らのショーの告知を街や雑誌で見たことは未だかつてない。私は前もって今回のショーが行われることをSRLの住所録に記名していた知人を通して知ることができた。

とある夜、チャイナタウンにあるフリンジ・ギャラリーで展覧会が行われた。様々な写真や彫刻、以前のショーからの幾つかの装置のとなりに、彼らSRLのドキュメント映像のスクリーンを用いたそれらは、マーク・ポーラインによって撮影されたものだ。1978年彼は様々な戦闘装置やロボットの相互作用を創造するための技術、道具また工業装置組み合わせ利用する新しい方法を見つけ出すことを目的とした独創性のある専門化たちの団体を創立した。

故郷、サンフランシスコで幾度かSRLはかつてよく警察沙汰を起こし、地元紙には「地元のゲリラ・チーム…観客や一団への危険を伴う疑いのある中、公の場での手荒な遠隔装置の爆破を扱う」とまで記されたことがある。(サンフランシス、コクロニクル誌 1992年4月9日)

SRLのユニークなコンセプトへの初めての遭遇となったのは、ポーラインによる『誰もが信頼されるべきではないし、更には彼はSRLが行っていることを信頼してほしいとも思っていない』という意見が述べられ、私は始め一連のイベントをみた時、少し衝撃を覚えた。その発言は私を実に考えさせたが、その後ショーを見ているうちに彼の言った意味を理解するのにそう時間はかからなかった。

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