「遊び場とおもちゃ」展

HAPPENINGText: Francesco Tenaglia

Joseph Kosuth, Puzzle, 2000

遊び場とおもちゃ」展の巡回展 (既にロンドン、パリ、ニューヨークなどの都市で開催されている)では、現代アーティストや建築家、デザイナーが子供達の遊ぶ時間を演出している。一方では、実際に遊び場の環境の向上を計るという側面もある。展示会ごとに大人、子供両方からなる審査員が、世界各地で現実化されるプロジェクトをいくつか選ぶ。いまのところ、インド、アルメニア、ナイジェリアといった国々や、ギリシャやイングランドの貧しい地域で実現している。


Vito Acconic, Klein-Bottle Playground, 2000

展示会が新たに街にやってくるとまず、地元のアーティストが独自の遊び場を提案できるように招かれる。ミラノでは新たに7つ加わり、今では40を数える遊び場が世界を巡回している。中にはとても魅力的なものも見受けることができる。ピエトロ・ロッカサルバがデザインした巨大な卵「カウントダウン」は、キャンバスのような表面を持ち合わせ、そこに子供達は内側から想像を膨らませながら自由に絵を描くことができる。また、アルベルト・ビアジェッティの「フライング・マンダラ」は、遊び手の動きによって回転しながら色鮮やかな模様を作り出す遊具で子供達を魅了している。


“Playground & Toys”, World Art Foundations

2つの特に傑出していて詩的な遊び場を紹介しよう。エンツォ・マリとシャルルマーニュ・パレスタインによって、それぞれにとても異なった美的環境から生み出されている。イタリア人デザイナーは、シンプルで上品な「ザ・ビッグ・ストーン・ゲーム」(1968)という、彼が過ごしたとても貧しい郊外での幼年時代の経験をきっかけに発案した、街の広場を様々なゲームを楽しむ空間に変えてしまうもの。アーティストでもあるアメリカ人作曲家は、一方で、地球を抱えた大きなテディーベアを中心に、沢山の動物によって形作られた夢のような庭園を提案している。

Playground & Toys
会期:2005年10月28日〜12月23日
会場:Pirelli Hangar Bicocca
住所:336 Viale Sarca, 20126 Milano
TEL:+39 (0)2 6611 1573
https://pirellihangarbicocca.org

Text: Francesco Tenaglia
Translation: Futakawa Yoshitaka
Photos: Courtesy of World Art Foundations © the artists

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