アンドリュー・サザーランド

PEOPLE

SHIFTニューヨークのレギュラーコントリビューター、ギャリー・ウォーラーが、今月はアンドリュー・サザーランドにインタビュー。今や彼のトレードマークとなった型破りな素材や工法を用いた彫刻作品について聞いた。

アンドリュ−・サザ−ランドは、ニューヨークのブルックリンに在住の独学アーティスト。僕は約1年前に東側の小さなギャラリーで彼の作品を初めて見たのだが、大胆で質の高いグラフィックのアプローチと、アートに施す型破りな素材の使用を探究する様がとても気に入った。この記事のために、ブルックリンにあるスタジオで彼と会い、彼の作品についてもっと理解を深められることを楽しみにしていた。しかし、アンドリュ−の取材を予定していた日、ニューヨークの地下鉄は3日間のストライキに突入してしまったのだ!そこで僕は代わりに、彼や彼の作品を描写していると思われる写真を添えて、たくさんの質問をメールで送ることにした。



Untitled (Inlay Box), 2005, corrugated cardboard, 22″ x 18″

バックグラウンドを教えて下さい。アートを学んで来たのですか?それとも他の分野から来たのですか?

学校で少しはアートを勉強してたけれど、僕は自分で自分のことを独学のアーティストだと考えています。3年生の時、父が「不思議に描く方法」という、スタン・リ−のドローイングの教科書を買ってくれて、その本にとても強い影響を受けたのです。シェーディングと、3Dフォームにすごく集中しました。それに、父が典型的なカーペンターだったのですが、とてもクリエイティブで、僕は父をアーティストのように見ていましたね。父と一緒に家の修理やたくさんのプロジェクトをしてきて、そこからたくさんのことを学びました。すぐに、そこで学んだ技術を自分のプロジェクトに活かす方法を学びました。スケートボードの台や砦を創るとかね。年月が経っても未だに、取り組む作品制作の中でそうした経験を描いています。


Untitled (Inlay Box), 2005, corrugated cardboard, 22″ x 18″

最近の作品について教えて下さい。また、そのアイディアはどこからくるのですか?

僕の新しい作品では、2つのことを1度にしようとしています。1つが、過去のアイディアや技術を掛け合わせ、全くの新しいものをつくること。この作品は、今までの手掛けてきたどんなものよりも、自由で視覚的に賑やかになると思います。そしてもう1つが、過去のあるコンセプトに基づいたアプローチを継続させることです。つまり最終的にこの作品は、事実上、よりミニマルになります。


Untitled, 2005, plywood, adhesive, 6.5″ x 6.25″ x 3.25″

作品に共通するもの(色や形や素材など)は何ですか?

共通するのは、僕の素材のセレクションとその使い方。視覚的に、もしくは概念的に面白いと思えるもの、そしてどうにか面白く手を加えられる素材を使います。ダンボールなら、一番上の層を剥がし、木目に見えるようにします。最近では、オープンボックスのイメージを創り出すために、はめ込み細工の技術を使いました。素材を引き出すような作品が好きです。素材の中にある隠された次元の鍵を開けるような感じ。


“Welcome,” 2005, detail, modified rubber mat, 23″ x 15″

ペインティングとプラスチックでは、どちらが先でしたか?

ペインティングの方がずっと先でした。

プラスチックを使ったきっかけは何ですか?

数年前に、自分のスケッチブックから出て来た漫画のような3つの形を基にして、小さい彫刻の額のシリーズを大量生産しはじめました。元々僕は、木から1つ1つ切り取り、手で機会加工して最終的な断片にしていたのです。この方法では時間と労力がかかりすぎたので、その過程を早める方法としてプラスチックに変えました。必要に迫られたということですね。

プラスチック作品の制作過程について教えて下さい。

鋳型や鋳物の正式なトレーニングは受けたことがないですが、僕の制作は伝統的なアプローチに近いと思います。オリジナルを創ることからはじめ、そこから型をつくります。一度型をつくったら、2部にわかれた液体のプラスチックを使って鋳物します。色については、塗料を流し込む技術を使います。とてもスムーズで、まるで工場から出て来たような仕上がりになります。裏側を見れば指紋やしずくの跡がはっきり見えて、手づくりだということがわかるんですけどね。こう口で言ってしまうと、とても簡単な過程のようですが、実際には見えないステップがいっぱいあって、時間がかかることなのです。なので、そんなに僕も創ってきていないですし、他から調達することを考えています。


Installation View, 2004, carved corrugated cardboard panels, 20′ x 8′, Sixspace, Los Angeles, CA

制作過程も作品の一部でしょうか?それとも最終的な結果が大事ですか?

制作過程は大好きです。アイディアが思ういつく場所でもありますし。ただ僕はとても視覚的な人なので、やはり最終的な結果も重要視します。思うにこれは、どちらもなくてはならない関係ではないでしょうか。例えば、僕はどこからともなく何かを発明することができるタイプではありませんが、そんなタイプのアーティストには感服している、というような。頑張って作り上げる部分を持ちながら、自分にとって自然な実地の仕事を続けていくという、バランスに興味があります。

作品は今後どのようになっていくと思いますか?次に挑戦したいことは?

僕は、アイディアを編集し過ぎてしまう傾向があります。完璧に発展させたことがない僕のスタジオに、なにか素晴らしいものを見つけるつもりです。そして、もっと人とアイディアを共有したいです。これからの僕のエキシビションは、より広い範囲のアイディアや作品を披露しながら、より折衷的になる気がします。アメリカではいくつかエキシビションをやってきましたが、次のステップはもっと国際的なレベルに作品を運ぶことでしょうか。実際今、日本やヨーロッパで行える場所を調査中です。あとは、本の制作についても考えています。

何から刺激を受けますか?

いつも聴いている音楽です。メタリカ、スレイヤー、G’n’R、パブース、ニルヴァーナ、モーツァルト、ハンク・ウィリアムス、ZZトップ、タウンズ・ヴァン・ザント、ウィリアム・バシンスキー。

どんなアーティストに影響を受けましたか?

影響を受けたコンテンポラリーアーティストは、ティム・ホーキンソン、トム・フリードマン、バリ−・マッギー、クレア・ロジャス、ケンゾ−・ミナミ、兄弟のピーター、カウズ、ライアン・マッギニス、ロキシー・パイネ、タラ・ドナヴァン。

アンドリューのショートフィルム作品「フォーメーションズ」を是非見て欲しい。彼の作品に盛り込まれた方法や技術の裏側を知ることができる。

アンドリューの初のソロエキシビション「フォーメーション」は、2003年、NYCの「リード・スペース」で行われた。また、「ナイキ・ギャラリーNYC」におけるTMWRK(2003)、「アニマルNY」マガジンによる「フォーミング・アット・ザ・マウス」(2003)などのグループショーにも参加している。掲載誌に「Nylon」「Lodown」「XLR8Rマガジン」、「4amプレス」による「I NY」などがある。

Text: Garry Waller
Translation: Yurie Hatano

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