「デジタルメディアと子供たち」

HAPPENINGText: Christina Merl


Illustration: Femke & Inge

みなさんは0歳から10歳ぐらいまでの子供がいるだろうか?子供たちはいまだ伝統的な子供、つまり紙に絵を書き、本を読むだろうか?あるいはコンピューターゲームや話せば返事が返ってくるような機能のついたおもちゃで遊ぶほうが好きであるか?このような、新しいキャラクターやくまのぷーのような古い人気キャラクターが子供たちの好むお菓子や対話できる人形のなかに再び使われてきている。ところで一日どのくらいの時間、子供たちがテレビゲームやテレビを見ているか知っているだろうか?

おそらくインターネット機能付のコンピューター、携帯電話、最近で言えば会話できるおもちゃの出現は、コミュニケーションに新しい段階と子供たちの生活に社会のネットワーク利用の可能性を加えているだろう。ヘンリーJカイゼルの家族を元に調べられた研究で示されてきたように、アメリカでは幼い子供でさえもメディアに浸透されて育ち、一日に何時間もテレビやビデオを見て、コンピューターやゲームで遊んでいる。前の世代では印刷技術を通して、媒体を導入してきた一方、若い世代では電子工学の世代なのである。研究によると、6歳未満の子供のほぼ半数(48%)がコンピューターを使ったことがある。(内訳として、0歳から3歳までの子供 30%、4歳から6歳までの子供 70%)2歳未満の子供の43%が毎日テレビを見て、26%の子供が彼らの寝室にテレビがある。

教育の面では、新しいメディアは子供たちをより没頭させる見込みがあり、児童中心の学習ができる機会が与えられている。だが一方で、常識ではデジタル式のメディアは若い世代の言語形成に影響があるのではないかと言われている。彼らの判断能力や自己観念、自立や創造性の表現の仕方、体系的に考える能力に影響があるかもしれないのである。これらを裏づけする検証された例(*)も少しある。とにかく、この新しい対話式のメディアは子供たちの学習や生活において必須のものとなってきている。

それゆえに、科学技術は事実、若者の考え、学び、経験する教育方法に改革をもたらしている。11月24日、25日にオーストリアのウィーンで行われる国際メディア会議「デジタルメディアと子供たち」の主催者たちは、われわれは流行りに従うべきか?という疑問に「従うべきだ」と信じきっている。この会議では、子供たちが生活し、学ぶメディア環境を改善することを目的とした学者、研究者、教育者、政策立案者、産業会の経営者たちの国際的な集団を集めることを目的としている。彼らの目標は、学校や高等教育における子供たちの革新的なデジタル文化との密接な関係を考え、ヨーロッパ連合の教育計画者と意見交換に従事することである。最終の目標は教育の分野にメディアが好ましく統合することを与えることである。新しいメディアを利用する若者には、メディアによるデメリットの影響をもらうよりも、多面的な機会から利益を得るべきだ。

事実、コンピューターは多くの学校や家庭で必需品となっているが、デジタルメディアへの子供の愛着が学問的教育というよりも仲の良い友達同士や遊びによって点火されていることが多くに認識されている。したがってこの2日間の会議では教育の分野での新しいメディアの適用や有益な使用のための適切な方法を見つけるのと同様に、それに関係してくるリスクやきっかけについても話すことであるだろう。デジタルの世界の全ての情報源を完全に統制することは確実に不可能なので、目標は教育課程を育成させるデジタルメディアの経験の学校外と学校内で生じるギャップを止めることだろう。おそらく主催者や出席者たちは公共の教育に活力をつけるための機会としてこれをみるべきだ。

*5月に、マッカーサ財団に基づきシカゴは若者がどのようにメディアを使い、教育を改善できる可能性を調査するために3万8千ドル(日本円にして約4億円)を補助金として授与した。

Children and digital media
会期:2005年11月24日・25日
会場:TGM
住所:19-23 Wexstrasse, 1200 Wien
主催:Art & Business Kulturmanagement
art.business@tiscali.at
https://www.kinderundmedien.at

Text: Christina Merl
Translation: Mizue Ogasawara

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