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ヨッフィ

PEOPLEText: Reto Caduff

ロサンジェルス在住の若手アーティストヨッフィは、移ろいやすいアートビジネスの中で成功するためのポイントを既にとらえている。短く、一単語であるヨッフィは、もはや彼のなめらかでミニマルなグラフィックを指し示す一つのブランドとなった。しかしそれは何ら不思議なことではない。というのもヨッフィはニューヨークのMTVでのインターンシップを経てロサンゼルス(これも驚くべき事ではない)にやって来た、iPod世代だからである。ポップアートの感受性についても話す。アンディは誇りに思うことだろう。

ヨッフィはバージニア州のウィリアムズバーグの出身である。彼は、コミュニケーションアート・アンド・デザインを専攻して、バージニア・コモンウェルス大学を卒業した。そのおかげで、イラストレーション、グラフィクデザイン、ウェブデザイン、映画、アニメ、写真、色彩学、と広範囲に渡る勉学とトレーニングを積む事ができた。

そして色彩こそが彼の全作品を通しての鍵なのである。ロサンゼルスにやってくる前でさえ、ヨッフィはネイティブアメリカン特有の幾何学的な模様をベースとした抽象的な絵を中心に据えて、デザインスクール中を活発にペイントしたのだった。媒体に関して言えば、立ち入り禁止の領域はなく、しばしば彼は古いキャンバス、冷蔵庫のドア、冷凍庫、樽のフタ、空き缶にその作品を展開させていた。彼は現在、伝統的なカンバスにその場を移している。そして新たな一連の作品は、グラフィックの要素が大分減少して見えるのである。完全にその作品を体験するには、巨大な絵(時として横5×縦6フィートの大きさである)の前に立たなければならない。彼はどうやってそれをなすのだろうか?『僕は絵をデジタルにフォトショップ上でスケッチします。それからイラストレータと呼ばれるベクトルデータで制御されたソフトに移し変えるのです。このやり方のおかげで、キャンバスにものを乗せていく前に、コンピュータ上で非常にきれいな線を描くことができ、色の配置を調整することが可能なのです。僕はコンピュータのことを現代におけるスケッチ帳だと考えているのです。』彼はサンタモニカにある、ガレージからアトリエにしてしまったところから、そう述べている。

とてもユニークなやり方である。彼はアートスクールの色彩学の授業でその方法に気付いた。『いったん絵がカンバスに描かれると、僕は塗りたい部分の周りにマスクをするためにマスキングテープを使う。それからそのマスキングテープをカッターで切り、それを少しばかり剥がす。そして、マット塗料を垂らし、テープの下に色が漏れないようにする。最初の頃は、この方法は簡単で、細かい作業を全部取り除いてくれる一助になると思っていた。でも違った。その細かな作業にほとんどの時間を費やすことになったんだ。僕の思った通りに線をなめらかにして、さらに洗練されたようにするためにね。』

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