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ニーナ・ブラウン展「心地よい時代のためのスリッパ」

HAPPENINGText: Jorg Heikhaus

2004年のこと、ドイツのアーティスト、ニーナ・ブラウンがストリートウェア・カンパニー「SUMO」を立ち上げた。1998年にスケートボーダー達が男性優位のスケート界をもとに始めたものに、ニーナが再び注目し、彼女のアートを取り入れたものである。彼女は過去6年間に渡って、衣服の制作と同時にストリートアートやグラフィティを、キャンバスやギャラリーに施してきた。

すでに非常に才能のあるペインターで、完璧にアクリルペイントの仕事をしていたにも関わらず、彼女は即座に使用する素材について再考し始め、独特の技術を使って独自にそれを発展させた。絵の具の代わりにウールを使い、とてもかわいいアニメチックなキャラクターの世界を基にして、最初のストリート・アート・タペストリーに縫い付けたのだ。この新しいテクニックは、スケッチやドローイング、文書などの伝統的なストリートアートのアプローチを転換させた。ほんの小さなタペストリーのためだけにも、ニーナは針と糸を使い、数週間、時には数カ月かけて完成させる。

ヘリウムカウボーイというハンブルグにあるアートスペースで行われたニーナの最近の展覧会では、過去の活気ある作品の数々や、伝統的職人の技術を新しい形にしたものが展示された。その代表となったのが、世界的に有名なクラシックスニーカーの精密なレプリカを、ウールとフェルトから作り出すというものである。

「スニーク・ライク・ア・パンサー 〜 心地よい時代のための “Puschen”(ドイツ語でスリッパ)」と称し、ヒップホップ、ファッション、スケーターなどのコミュニティーにおけるシンボルの現状に、面白い方法で疑問を投げかけた。このニーナ・ブラウンのスニーカーは、家の中で足を暖めるための快適で心地よいスリッパとして使う事ができる。(そのためタイトルにも、“Puschen” というスリッパを意味する言葉が使われた。)

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