「メイド・イン・ブリテン:現代英国写真展」

HAPPENINGText: Ania Markham

今回は現在アムステルダムのハイス・マルセイユ写真美術館で現代英国写真展「メイド・イン・ブリテン」が開催されている。この展覧会は、HUGギャラリーのアディー・ヴァシーとのコラボレーションであり、英国の12人の写真家の近年の作品が展示される。彼らのほとんどはオランダでの展示会は初めてだ。これはすでに名の売れている写真家や、今後そうなるであろう写真家達による興味深い連携(英国の現代写真のカギと見なされる)である。


Chino Otsuka, Summer, 2001, Chromogenic Print, 813 x 1016 mm

私は、特にアントニ+アリソンクレイグ・アメス大塚千野マシュー・マレーミシェル・サンク、そしてさらにとりわけ、エレーヌ・コンスタンチンの作品に目を奪われた。これらの写真家達の多くは伝統に従い、あのマーティン・パーの観察的なスタイルに沿ってやってきた。日常生活の中にあるユーモアを捉えることのできる特別な才能をもったマシュー・マレーは、特にその傾向が強い。


Antoni + Alison, Chocolate Box (1), 2002

アントニ+アリソンの作品は、彼らが有名になったファッションと同じくらい図形的であり、写真の中に彼らの成長を見るのは興味深いことである。クレイグ・アメスのスカディー(英国軍)の生活環の観察は、その世界の住民で、それを完全に理解するものによって捉えられる。私はスカディーがどうして彼らのスニーカーをそんなにきれいに保っていられるのかを問わずにはいられない…。大塚千野の写真は巧妙な美しさを誇る。それは映画的視点で捉えられ、子供の頃に英国に渡った際のカルチャーショックに対する深い感動を含んでいる。


Michelle Sank, Endgame, 2000

ミシェル・サンクの作品は、思春期の不器用さを表現し、信じがたいほどの硬直性をはらんでいる。彼女の写真に表されている静けさに感心しないのは難しいことである。最後にエレーヌ・コンスタンチン


Elaine Constantine, Girls on bike, 1997

私は彼女の作品の中で、素晴らしく陽気な「ガールズ・オン・バイク」(1997)が好きである。フェイスやi-Dのような雑誌に載っている彼女のファッション写真は、英国のフォトドキュメンタリーの偉大なる伝統を継承し、 1990年代の若者世代の姿を捉えている。エレーヌの最近のプロジェクトの「ティー・ダンス」で、しっかりと興味深い方向へと進化を遂げた。強くお勧めしたい。「メイド・イン・ブリティン」は、5月29日まで。

Made in Britain: Contemporary British Photography
会期:2005年3月1日〜5月29日
時間:10:00〜17:00(月曜日休館)
会場:Huis Marseilles
住所:Keizersgracht 401, 1016 EK Amsterdam
TEL:+31 (0)20 531 8989
http://www.huismarseille.nl

Text: Ania Markham
Translation: Yuhei Kikuchi
Photos: © the artists, Courtesy of Huis Marseilles

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