アフリカ・スクリーム展

HAPPENING


© Kunsthalle Wien 2004


「現代の映像技術が、すばらしくそして伝説のように飾り立てた悪、嫌悪心、醜さ、恐れという軌跡を辿り、不可思議な経済、ネオ・カニバリズム、妖術、ゾンビというイメージが拡大されたモダニズムに存在する影の部分に暗い眼差しを投げかけ、“アフリカ・スクリーム”は、古代から現代までアフリカに伝わる神話をジャックする。」と、意欲的な展覧会のプレスリリースにはこう書かれていた。


© Sammlung Tobias Wendl 2004

いったいどういう意味だろう?アフリカと聞くと、植民地解放後の戦争、貧困、頽廃、疾病というイメージがまず浮かんでしまう。危機的なアフリカ大陸、開発計画者の悪夢…。メディアが映し出すイメージはこんな感じだ。しかし、どんな事にも言えることだが、物事にはコインと同じように表と裏がある。この広大な土地には、創造性、柔軟性、音楽、カルチャー、アートなど、古代から現代にずっと存在してきた芸術という側面が存在する。例えば、パリで行われた「Magiciens de la terre」(1989)や、ヨハネスブルクとダカールでの「Biennials」、最も最近のものでは、「Documenta 11」(2002)のようなエキシビジョンにより、私達はアフリカで動き出しているアートシーンを知ることができるようになった。


© Kunsthalle Wien 2004

「アフリカ・スクリーム」という展覧会は、この両側面のギャップを狭めることを目的とした初めての試みだ。コンセプトは、アフリカのアートと、コンテンポラリーアートに映し出されている“恐怖”という文化的な歴史の輪郭を提示するというもの。具体的には、“悪”が現代的な形でアートとしての表現されている、「儀式」と「マスク」に焦点を当てている。実際、“悪”がこの世に存在しなければ、おそらくそれはあえて何者かによって作り上げられただろう。なぜなら、“悪”がなければ、どんな形であれ、何が良いのかという比較する対象もないので、道徳も成り立たないからだ。


© Kunsthalle Wien 2004

Sokari Doublas Campによる、ヨルバ族のゲレデ・マスクからインスピレーションを得たような形をした機械や、南アフリカのアーティスト、ジェーン・アレキサンダーによる抽象的なインスタレーションなどで表現されているように、「アフリカ・スクリーム」は、様々な方法で、戦争、国家崩壊、儀式的に行われる殺害という、社会的にはっきりと明示されている“悪”を提示する。

「私たちは、戦争という名の遺跡の考古学を扱っています。それはつまり、ポスト植民地時代に行われた偽善的な開発におけるイデオロギーや、現代のメディア環境へ対応した精神的モチーフの変形です。」と学芸員のサイモンは話す。「アフリカ・スクリーム」は、“悪”に対する抑圧に対抗し、代わりに“記憶の傷” (Kofi Setordji) を浮き上がらせようとしている。

参加アーティスト:Jane Alexander (南アフリカ)、Fernando Alvim (アンゴラ/ベルギー)、Willie Bester (南アフリカ)、Conrad Botes (南アフリカ)、Candice Breitz (南アフリカ)、Sokari Douglas Camp (ナイジェリア/イギリス)、Cheri Cherin (コンゴ共和国)、Samuel Fosso (中央アフリカ共和国)、El Loko (トーゴ/ドイツ)、Abu Bockari Mansaray (シェラレオネ共和国)、Kofi Setordji (ガーナ)、Twins Seven Seven (ナイジェリア)、Pascale Marthine Tayou (カメルーン/ベルギー)、Dominique Zinkpe (ベニン)、他。

アフリカ・スクリーム
会期:2004年11月5日〜2005年1月30日
会場:KUNSTHALLE wien
住所:Museumsplatz 1, 1070 Vienna
TEL: +43-1-52189-33
http://www.kunsthallewien.at

Text: Christina Merl
Translation: Naoko Fukushi

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