ピープル・ブロックス
THINGSText: Victor Moreno
アメリカの漫画家の歴史は広大で偉大である。必然的にこの遺産が次世代の作家、イラストレーター、デジタルアニメーターを奮い立たせる。それと同時に最近ではスケッチ、絵画、デジタルアート、グラフィックデザイン、彫刻など異なる芸術としての技術の境界が押し広げられてきており、これら全てのプラットフォームは芸術としても受け入れられやすくなってきている。
このようなケースを例示する私の大好きなアーティストの一人であるアメリカのアンディ・リメンターの創造的なスタイルは、スケッチ、漫画、絵画やアニメーションを組み合わせたものだ。今回彼は、アート作品のプロデューサー兼出版者のケーススタジオ(ベルギー)と協力し、平面という境界を越えた作品をリリースした。
「ピープルブロック」は、アンディ・リメンターがデザインし、ケーススタジオが生産した限定版のアーティストの彫刻シリーズだ。作品は全て手作業で塗られた4つのユニークな木のキャラクターだ。
© People Blocks
この素晴らしいアートコラボレーションはお互いにとってメリットになる。現代アーティストとケーススタジオの大胆なプロジェクトによってリメンターはハイエンドな作品と彼のビジョンを伝える手段の双方を得る。そして逆にケーススタジオは配色、装飾的なパターン、妙に物思わしげなキャラクターなどリメンターのクリエイティブの全てのエッセンスを獲得したのだ。個々の部分は取り換えることも可能で、再度組み立てたり、積み重ねることでキャラクターをカスタマイズしたり、組み合わせ次第では抽象的な立体を作り上げ、好きなセッティングを用意すれば、予想外のユーモラスな作品に仕上がる。これらのキャラクターはデザインセンスをポップアートやポストモダンの代表でもあるメンフィスの時代に浸らせてくれるのだ。
© People Blocks
アントニー、ファビエンヌ、ジェーン、フランソアのキャラクターたちはスクリーンプリントされた木箱に個別に入れられ、それぞれにアーティストのサインとナンバリングが入っている。アンディ リメンターにとって普段のフレームワークから外れて働くのはこれが初めてのことで、3Dモデルのパートナーであったマルガレーテ・ウルバニがリメンターとケーススタジオを繋げてくれたのだ。我々はもう少しこの美しい初の試みについて知りたくなった。
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