ヤン・チェン展

HAPPENING


テクノロジーは、私達の生き方や考え方を変えてきた。コミュニケーションからエンタテイメント、アートまで、テクノロジーの進化は新しい可能性と、これから模索され、埋められていくであろうギャップを生み出した。

そのギャップの1つに、デジタルにおけるファインアートという領域がある。物理的に存在するのではなく、ギャラリーのハロゲンランプの下に“かけられる”デジタル・ファインアートは、手触りを感じることも、他の作品との空間演出もない。

「ペインティング・イン・タイム」は、ギャラリーの従来の形式のように、デジタル作品をプリント出力して物理的に見せるというものだ。彼はペインティングをアニメーションで使われる用語“セル”という言葉を使う。その“セル”は、変化を続けるペインティングの一瞬を切り取ったものだからだそう。そのセルは、約1000ものペインティングから選びだされ、8つのテーマに基づいたシリーズとなり、大判プリンターを使い出力された。

シンガポールのアーティスト、ヤン・チェンにより手掛けられたこのエキシビジョン。結果ではなく、瞬間や過程を大切にする彼の考え方は、構図と繊細な風合いとがあいまって対照的な色の組み合わせとなり、多様なイメージを生み出している。

ギャラリーの中を進み作品の前を通り過ぎるたびに、人々やその動きを思い浮かべながら都市風景を遠くからみることができる。精神的、哲学的な世界の壮大な風景を縫うように進みながら、まるで人々の想いの深部へ入り込んでしまったような感じもする。

デジタルメディアでは、形やビジュアルを操作し、様々なテクスチャーやグラフィックのミックスを作ることが可能だ。ピクセル VS ブラシのストローク。シャープさ VS にじみ。デジタルとアナログのこのような関係は、見る側のイマジネーションをとらえる、たくさんの興味深い作品を生み出す。

時は止まることはない。テクノロジーも同じだ。そして私達は決して結論に達することはない。ただ立ち止まって、人生という名の旅の途中で窓を覗いてみることを忘れずにいよう。

Painting in time – Animated art in new media
会期:2004年8月12日〜15日
会場:EPISITE (エプソン・イメージング・ギャラリー)
住所:501 Orchard Road, #03-18/19 Wheelock Place, Singapore 238880
http://www.nutsidea.net

Text: Fann ZJ from npsea Enterprise
Images: Yang Tien
Translation: Naoko Fukushi

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