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ノメダ&ゲディミナス・ウルボナス「ルタ・リメイク」

HAPPENINGText: manuelis Ryklys

ビリニュス・コンテンポラリー・アート・センター(CAC)にて開催されている「ルタ・リメイク」は、ビルニュスで様々な分野にて活動するアーティスト、ノメダ&ゲディミナス・ウルボナスによるプロジェクト。これは1997年より、彼らが積み重ね、手直しを加えて行ってきたリサーチを紹介するものだ。ノメダ&ゲディミナス・ウルボナスは、国際的なニューメディアの展覧会やプレゼンテーション、プロジェクトなどに幅広く参加している2人のアーティストだ。

異なるタイプのメディアを集め、このアーティストはリトアニアの文化的定義、変化、そして女性の発する声に対する解釈に焦点を当てるという、インタラクティブなテーマを掲げた。録音されたインタビューや音のサンプリング、ファブリックというツールを使い、ノメダ & ゲディミナス・ウルボナスはいくつかの要素からなる独自の“体験”を作り出した。

“女性の声がもしなかったら”という考えから生まれた「ルタ・リメイク」プロジェクトは、今日のリトアニアにある古くからの政治的アイデンティティを再構築する地図を提供するようなものだ。その意味で、強い香りと苦味を持った多年生植物で、“女らしさ”や“純潔”を表すものとして知られる「ルタ」(※ヘンルーダという植物)は、特別なモチーフなのだ。

このプロジェクトには、様々な分野の専門職につく女性(作家、言語学者、哲学者、音楽理論家、歌手など)が参加し、過去・現在・未来のリトアニアの社会/哲学/文化/歴史における女性の声の役割を探った。

彼女達が行った、女性の声についてのディスカッションもまた、「ルタ・リメイク」プロジェクトで使用できるように、サンプリングとして巨大なデータベースに加えられた。このデータベースには、話し声、物語りを語る声、囁き声、歌声、泣き声など沢山の女性の声のサンプルが保存されている。

ルタはまた、テキスタイルのパターンとしても使われ、音の表示システム(音符のように)としても使われる。つまり、データベースにある声を音楽として織り上げる装置となり、コンピューターの画面でそれを見る事ができる。

「ルタ・リメイク」は、サンドラ・ストラウカイトというデザイナーとのコラボレーションでファッションという側面でも活動している。このコラボレーションでは、ファブリックデザインを主とし、デザインは迷彩やヘンルーダのパターンをミックスしたものだ。そのパターンで女性用のスカーフを作ったりもしている。

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