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稲葉英樹「NEWLINE」展

HAPPENINGText: Naoko Fukushi

稲葉氏がその場でタイポグラフィを組み上げ、プリントアウトして、壁に留めていく。プリンターを使ったパフォーマンスというのは、見たことがあるだろうか?「グラフィックのようなタイポグラフィ」という表現を冒頭で使ったが、この作品もまさにそうで、壁を埋めていく素材は全て「文字」の要素であるにもかかわらず、一枚ずつ留められて大きくなっていくそれは、「絵的」だった。

ニューウェーブや、エレクトロを中心とした音楽と共に時間は心地よく流れ、本人はレッドアイを傍らに黙々と作業を続け、見ている側もゆったりと白い壁に生まれでてくる作品を眺めながら、時を楽しんでいたように思う。会場を見渡して、気になったことが一つ。赤い服を着ている人が妙に多い。というのも、この展覧会のフライヤーには「赤い服を身につけて来場されると楽しみが増えるかも。 」などと意味深な言葉が書き添えられていたのだ。

最初は、会場が赤い照明で染められるからそれだけのことかと思いきや、作品制作も後半にさしかかった頃、稲葉氏がおもむろに何種類かのポスターを広げ、赤い服を来た人達にプレゼントした。主催者側である私さえ知らされていなく、びっくりでうれしいハプニングだった。

東京「ロケット」ではまた、札幌とは違う展示内容で7月16日からスタートする。そこでは何が行われるのだろうか? ぜひ足を運んで、稲葉英樹のグラフィック空間を楽しんでほしい。

稲葉英樹/NEWLINE展
会期:2004年6月18日(金)〜30日(水)
営業時間:11:00〜21:00
会場:SOSO CAFE(ソーソー・カフェ)
住所:札幌市中央区南1西13 三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
協力:BEAMS T、E2O、PRND、SAL magazine、Web Designing、株式会社プリズム
https://www.shift.jp.org/soso/

Text: Naoko Fukushi
Photos: Shinichi Ishikawa

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