マイケル・デ・フェオ

PEOPLE


アムステルダムの街を歩いていると、マイケル・デ・フェオのストリートアートを街中至る所で見かける。彼はニューヨークに在住なのだが、アムステルダムをとても愛し、ここへ来るたび、彼はできるだけ多く自分のマークを残していく。

彼は、独特な花のデザインでアメリカ、そして最近ではオランダの都市を彩り、注目を集めている。マイケルは、1993年にデザインを始め、プリントものを好んだ彼は、花のデザインを何百枚も印刷し、ニューヨーク中のストリートに貼付けようと決めた。それ以来、ニューヨークだけでも、ストリートに貼ったプリントの数は、何千枚にものぼるという。

メジャーな雑誌でも、ストリートアートに特化した本の両方で取り上げられる、彼の作品には、大変好奇心がそそられる。その彼が、快くアムステルダムに彼が残すデザインについて語ってくれた。

どうしてアムステルダムなのですか?アートに適した街なのでしょうか?それとも何か惹かれるものがあるのでしょうか?

1997年から、僕は4回アムステルダムを訪れています。僕を、常に呼び戻す街なんです。正直言うと、妻を愛するように、この街を愛しています。アムステルダムでは、ストリートアートは生命を持っているかのように見えてくるし、多種多様なストリートは、驚くべきものがあります。ニューヨークのように、アムステルダムは、徒歩が移動に適した街で、作品を貼りに外に出かけるにもとても良い街です。また、すぐにでも行きたいです。というよりも、ここへ引っ越したいとも考えているんです。ただ、生まれたばかりの娘がいるので、ちょっと難しそうです。2003年には、アムステルダムで「90SQM」というショーを開催しました。もともと、僕の計画では、街をできる限り塗りつぶすことでした。たくさん作品を持って来て、滞在中もたくさん作品を描きました。そのうちのいくつかは、アムステルダムに貼りましたが、残りはニューヨークに持ち帰り、そこで貼りました。

ヨーロッパでは、ストリートアートは受け入れられやすいと思いますか?

現在、アメリカでは取締が厳しくなってきています。ここでは、そんなに厳しくはないのでしょうか?ヨーロッパといっても、都市によると思います。例えばアメリカでは、シアトルでストリートアートをやるよりは、ニューヨークのほうが簡単です。ニューヨークは、人や物が密集している街なので、気付かれずにいることが比較的簡単です。逆に、ボストンは、小さくてとてもきれいな街だから、何かを貼付けようとすれば、すぐに目立ってしまう。ヨーロッパの街は、アメリカとは全く違います。初めてヨーロッパに来た時、何もかも想像できないことばかりでした。僕はニューヨークの生活に慣れていて、そこでは快適に暮らしていますが、例えば、警察や人々がどれくらいの程度までが許容範囲なのかなどです。ヨーロッパの歴史はアメリカよりもずっと深くて、建築物に対しても良心を捨てられません。そのような歴史に囲まれているなんて、まさにマジックです。尊敬します。

ストリートアートシーンはどうでしょうか?アメリカと何か違いを感じますか?あなたのルーツは、ヒップホップやグラフィティですか?

僕のルーツはヒッピホップでも、スケートボードでありません。僕自身はあまり、そういう特定のカテゴリーや影響を受けていないと思います。ただ、ヒップホップやスケートボードと、ストリートアートは確かにリンクしていると思います。明らかに、たくさんのグラフィティが同じようなルーツを持っているのは分かりますが、ここアメリカで僕の知っているストリートアーチストみんなが、そうだとは言えないと思います。年齢も大きく関係してくると思います。特に反逆的な若者世代となると…。それは、大企業が、若者をターゲットに、ストリートアートのイメージで商品を展開するという事実にも現れています。例えば、自動車メーカーの日産は最近、ニューヨークでウィートペーストのようなイメージをポスターに使っています。これは、明らかに若い世代の顧客を取り込む事を視野に入れていますよね。
※ウィートペースト—グラフィティのように、直接壁に描くのではなく、紙に描いたものをストリートに貼る。小麦粉から作られる接着剤を使うので、こう呼ばれる。

一番好きな表現手段は何ですか?

どんなものでも表現するのは好きですが、もし選ばなくてはいけないとすれば、ドローイングとペインティングです。ステンシルは、もう何年もストリートではしていません。今は、自分のスタジオで作るウィートペースティングのほうが好きです。直接壁に描くよりも、天気に影響されやすく、ぼろぼろになりやすいという点が好きです。その、ほんの短い間しかもたないというところが、一番好きなのです。どこかに貼付けて、それがそこからはがれて、1日後、そして1年後、いろいろなところに移動するかもしれない。この良さは、特に僕の花のプロジェクトにぴったり合っていると思うのです。本物の花も、芽がでて、花が咲き、そして枯れる。そしてまた別のどこかで、芽生える。

自分の作品を、どこへ行くかも、どのくらい存在するのかも分からないまま、ストリートに貼るのは寂しくはありませんか?自宅の壁には、作品を貼っているのですか?

紙に描いたものをただ、ストリートに貼付けているだけです。そんなに執着はありません。逆に、ストリートにある方が、作品は生命を持ち、呼吸を始めると思っているので、満足感があります。ストリートに作品があることによって、屋内にある作品とは全く違うアプローチを、見る人にすることができます。ストリートでは、見る人は何の期待も持っていません。ホームレス、配達の人、道路工事の労働者、ショップのオーナー、ドラッグのディーラー、弁護士など、誰でも、その作品と出会う可能性があるので、遊び心が掻き立てられます。僕の作品を剥がそうとする人もいるようです。破かずに剥がすことに成功した人が、何人か教えてくれました。たいていは、その作品を見れば、それを剥がそうとしたということがすぐにわかります。家では、数枚ではありますが、常に作品を飾っています。スタジオの外で作品を見た時に、それを客観的に評価できるように、自宅には新作を置くようにしています。そして、よく1枚か2枚は、また家に持ち帰って、作り直します。

ドル紙幣に花のデザインを施したことがあるそうですね。ユーロに、“花を咲かせよう”と思った事はないですか?

2年前、ユーロ札の束に、花のデザインをスタンプしました。その頃、ユーロは市場に出たばかりだったので、すぐに人はその花に気付きました。その紙幣は、店で偽札だと思われ、使うのは大変難しかったようです。ユーロ札はカラフルだから、気付かれないかなと思ったのですが。

しだいに有名になり、アンダーグラウンドな存在ではなくなってくるにつれて、街を彩る手段を変えようとは、思いますか?有名になることで、ストリートアートにどのような影響がありますか?

僕は、常に新しいプロジェクト、アイディアを生み出しています。この表現方法の最大の可能性を引き出すために、自分を限界まで持っていきます。もし、同じ事を続けていたら、すぐに飽きてしまって、ストリートアートはもう何年も前にやめていると思います。僕のストリートの作品は、様々な方向へと広がっています。例えば、僕はずっとブループリント紙に抽象画を描いていますし、もうすぐ出版したいと考えている本の準備にも忙しい。また、ウェブサイトを持つ事によって、僕の作品を見てくれる人との関係も変わりました。ストリートで作品を見なくても、世界中の人達に僕の作品を見てもらえる。有名になったからといって、作品に何か影響するということはありません。有名とか、そういうことより、僕のしていることを他の人達と共有したいと思っています。作品が、僕のハートから生まれ、取り巻く環境に誠実でいられれば、僕は自分の進む道を変える必要はないと思います。

教師という立場にいることで、問題になることがありますか?

僕が教師でいるということは、アーティストとしての面と同じように、僕の1つの要素ですが、ほとんどの人は知らないです。教師でいることで、新しい物の見方をすることができたり、成長することが可能です。たいていの人は、僕がそんな責任ある職についていると知ると、驚きますが、それを大きくひけらかしたり、逆に隠したりはしていません。何年か前、地元の新聞から、アートを教えながら、自分の作品も発表する教師として、インタビューを受けました。てっきり、ペインティングを中心に取り上げられるのかと思いきや、ストリートの作品にスポットが当てられたのです。その記事は、日曜日の特集と同じくらいの大きさで取り上げられ、生徒、父母、教師、学校の事務局、すべての人がその記事を見て、今や僕が学校の外で何をしているか、みんな良く知っています。批評のほとんどは、その記事に対し、とてもポジティブで、奨励してくれるものでした。今のところ、問題はありません。

今後の予定は?

もし、時間があれば、いろいろな都市を巡りながらヨーロッパを旅行したいです。日本にも行ってみたいです。今、できればヨーロッパで、僕をマネジメントしてくれるギャラリーを探しているところです。さっきも、お話したのですが、もうすぐ出版したいと思っている本をちょうど手掛けているところなのです。興味を持ってくれている、出版社はあるのですが、まだ話は固まっていません。また、僕の作品が、THAMES AND HUDSONから3月29日に発売される「ストリート・ロゴ」という、トリスタン・マンコーの本に取り上げられました。この本は、素晴らしいです。さらに、7月には、ウースター・コレクティブの主催で開かれるニューヨークでのグループ展に参加したりなど、様々なプロジェクトに関わっており、日々その活動範囲を広げています。最新のプロジェクトは、僕のサイトをチェックしてみてください

Text: Ania Markham from Post Panic
Photos: Courtesy of Michael A. De Feo
Translation: Naoko Fukushi

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