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ライト・サージョンズ

PEOPLEText: Yasuharu Motomiya

後半は、 T.L.S のサウンドマンでもあるDJのジュード・グリーナウェイと T.L.S の映像による、オーディオ・ビジュアル・パフォーマンス。細かい網目状のシートの向こうに機材を並べ、プロジェクターから投影された光の中でプレイする3人の姿それ自体が、ビジュアルとして興味をそそるデザインであり、中央、手前のシート、横の壁へ投影される映像がリアルタイムで音と同期する。

音と映像が同期することなど、現在では普通の事だと思いがちだが、テクノのような単調なビートとは違い、彼らのスタイルはヒップ・ホップという複雑で有機的なビートの上に映像を乗せていっているのに、なぜこうもピタリと映像がビートを刻むように動き流れるのだろうと不思議に思う。手法的なことでいうと、大量のカットアップされた映像素材をラップ・トップに保存していて、それをメインとなる映像に音を聴きながらリアルタイムでのせていくのだという。つまり、複数台のプロジェクターを使い普通に流れる映像とリアルタイムで操作できる映像のレイヤーを重ねるというもの。

また、多くの人がデジタル技術の恩恵を重要視しすぎる傾向がある中、彼らはアナログ的要素も大切にしているようだ。会場に設置されていたOHPプロジェクターもそうだが、オーディオ・ビジュアル・パフォーマンスのときもオープンリールのフィルムを回転する三角錐型の鏡に投影し、それを彼ら自身の手で回転させ、あたかも映像がフロアを動き回るような演出をしていた。

モーションダイブなどの高性能なVJソフトウェアで誰もが映像・グラフィックを扱いVJのようなことができる時代に、何がイノベーターとして大切なのかということも同時に、彼らのパフォーマンスから感じることができた。

音楽も、これから活躍が期待される(3月よりロンドンのクラブ・ファブリックのレジデントを務める予定) ジュード・グリーナウェイによるヒップ・ホップ・トロニカ的DJセット。彼も、単にレコードを回すだけでなく、自前のサンプラーなどをつかった半ライヴ的要素をも持ったDJプレイ。フロアを上げすぎるでもなく、落としすぎるでもない実に心地よいグルーヴを T.L.S の映像と共に演出していた。途中、電源類のトラブルなどに見舞われたが、それを感じさせず忘れさせてしまうようなパフォーマンスを T.L.S の3人は披露してくれた。

イノベーションとテクノロジーの進化がアーバンカルチャーをどう魅力的にしていくかをムービング・イメージという観点から、ある一面を照らし出し、こういったシーンから刺激を受けた若いクリエイターの中からの新しいアイディアがどうフィードバックしてくるかが楽しみでもあり、また期待されるものであった。

次回、2月27日は大阪、28日は東京で行なわれる予定なので一度参加して肌で感じて見てはどうだろう。

Innovation Sessions #5
日時:2004年1月17日(土)20:30〜25:00
会場:代官山 Ballroom
http://www.thelightsurgeons.co.uk

Text: Yasuharu Motomiya
Photos: Yasuharu Motomiya

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