ミヤタケイコ+アナログガール

HAPPENINGText: Naoko Fukushi

アナログガールの左目のまわりには、立体的でカラフルなビーズのようなものが施され、ミステリアスな雰囲気を出していた。彼女のサウンドは、ノイズと重厚感のあるビート、そして個性的なボーカルが印象的で、パネルの上で指を滑らせて音を操るエフェクター「カオスパッド」とラップトップコンピューターを使い、リアルタイムで音を操っていた。

彼女のそのサウンドは、「ビョーク・ミーツ・オノヨーコ・ミーツ・レイラ・ピニェイロ」と称される通り、まさに音の旅へと観客を魅了した。

ライブの興奮が続きつつ、ミヤタケイコの第二のパフォーマンスが始まった。プラスチックのコップに、手早くアクリルカラーを絞り出し、勢いよく、真っ白なぬいぐるみにペイントを始める。

大胆に、力強く、スピーディーに次々と色が重ねられていく。彼女の頭の中にはイメージが、既にあるのだろう。イメージを形にしていくために、無心で筆を動かして、ドライヤーで乾かしながら、バンビの時と同じようにまるで命を吹き込んでいるかのように見えた。その姿に観客も釘付けになっていた。

次第に真っ白なぬいぐるみが、非常に鮮やかな色使いのものへと変わっていった。そろそろ完成かとほとんどの人がそこで、思ったと思う。しかし、そうではなかった。彼女は、アイスピックのようなものをとりだして、ぬいぐるみに大胆にぐさぐさと刺していった。これは、だれも予想していなかっただろう。沢山の人が、驚きの表情を浮かべていた。そして、はさみと手で中のわたをぐいぐいと引っ張り出していく。最後に、ぬいぐるみの耳と足先という、また意外な場所に目をとりつけて、パフォーマンスは幕を閉じた。観客からは、拍手が起こる。制作に集中し緊張感を漂わせていた彼女の表情が、少し和らいだように見えた。

ミヤタケイコ「dangerous pop」展
会期:2003年9月29日(月)〜10月29日(水)
営業時間:11:00〜21:00
会場:SOSO CAFE(ソーソーカフェ)
住所:札幌市中央区南1西13 三誠ビル1F
TEL:011-280-2240
https://www.shift.jp.org/soso/

Text: Naoko Fukushi
Photos: Naoko Fukushi

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