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レスフェスト 2003

HAPPENINGText: Aya Muto

The M Word (US | 2003 | Dir. Rocky Morton)
人生における最頂点の合併(“M”erge)…いや失礼、幸せな契り「結婚(“M”arriage)」。恋愛段階の駆け引きを通り越し、いざ人生をともにする決意をした男女の間には様々な見えない規則が存在する。オフィスの個室に設定されたこのダイアローグ(会話)には米国サラリーマンの必須アイテム、トールラテと蛍光ペンが登場し、見たこともないような分厚い(分厚すぎてキンコ—ズでバインディングしてきましたー状態の)企画書をもとに二人の軽快なやり取りが交わされる。夫婦の「あうん」の間が生まれる瞬間である。

Room Service (Japan | 2003 | Dir. Namikibashi as Junji Kojima & Kentaroh Kobayashi)
またまた小島淳二フレーバーに富んだ完成度の高い作品。シティホテルの無機質な空間を押し黙ったユーモアで埋め尽くす、アーバン・ミス(都市神話)的存在の小林ケンタロウ扮するプロフェッショナル荷造りベルボーイと、山咲千里扮する生き甲斐を探すように買い物しまくったなぞの女性客のふれあい。こってりした照明がバブルに包まれた都市生活を示唆し、美しくも哀しい(笑)男女のふれあいが画面いっぱいに静かに展開する。

Squash (France | 2002 | Dir. Lionel Bailliu)
仕事場のダイナミクス(力学)を狭いスカッシュコートに投影しようなんて、フランス人以外考え付かないでしょう。というわけでどっしり重い、男のエゴと取り引きが蛍光灯に照らされた狭いコートでビシバシと交わされる。血をにじませながらの格闘は実に巧妙な精神プロセスをゲームの展開に例え、本当に脱帽もの。最終的には秘密兵器を持ち出した若手社員が決め手を打つ。それにしても「チャイニーズ・ウォーターバレル」って何だろう?

Treevil (Finland | 2002 | Dir. Christer Lindstrom, Aino Ovaskainen, Aiju Salminen)
世の中は実にうまくできているもの。そんな小宇宙を体現した人形アニメーションがおとぎの国フィンランドよりエントリー。気違いのように甲高い声で笑って逃げてしまうもみの木。それを捕まえたくなるのは人間心理と言うもの。が、それが許されないとしたら?車のバックミラーにぶら下がる木(車中芳香/消臭用のタグ。大概の車にかかってます。)はこうして作られるのかと関心。ルーティーンの大切さを痛感いたします。

Fish Never Sleep (UK | 2002 | Dir. Gaelle Denis)
巫女さんのような女の子と回転すし屋と片田舎の漁村。そんな3つが夢の中のような無意識空間を浮遊するようにふわふわとしたアニメーション(しかし、白に黒、赤という強い筆使いで)に仕立て上げられる。訛りのきいた英語が何とも耳に心地よく、彼女の不眠性がこのあからさまな異国の地の設定に神話感を足し、若者なら誰しも経験する葛藤を、軽快に、普遍的に物語化。驚きのイギリスからのエントリー。

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