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クリス・ウェア

PEOPLEText: Matt Smith

クリス・ウェアは私の近所に住んでいる。彼に会ったことは一度もないが、有名な漫画家が最近、街の北の方から、私の住む自然の多い郊外の方へ引っ越したと聞いた時、頻繁に高い評価を受けている彼の作品に、目を通さないわけにはいかなかった。その作品は、「世界一賢い子供、ジミー・コリガン」だ。

それは確かに、どんな賞賛にも値するものだった。当初から、そのデザインは呪物崇拝者の注目を浴びていた。チップ・キッドという編集者によると、彼は、奇妙で小さなレンガのような形と重量感を出すように、自ら本をデザインしたそうだ。平らな長方形のページに、においのするインク(大豆インクだろうか?)が、厚く、光沢が施されてないクリーム色のページにのせられている。

「ジミー・コリガン」は、マンガの名画集だ。シカゴのニューシティー・マガジンで連載され、ACMEノヴェルティ図書館では1993年から1996年にわたって展示された。本の内容をざっと見て感じることは、この現代の世界のもの悲しさがあるということ。もう一つは、ウェアが、古い音楽や昔ながらの広告、イラスト入りの小冊子、パンフレット、新聞など様々な印刷物の中に見出した、より洗練されたコミュニケーションの形態に対する、宗教的と言ってもいいほどの信心さだ。

ウェアのマンガで描かれているストーリーは、ほとんど彼のキャラクター自体が主題かのようだ。彼の作品での言葉づかいは、音楽的だと言われている。ラグタイムジャズのようにリズミカルで、ビジュアル的には、自動演奏ピアノのようなイメージなのだ。

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