ニュイ・ブランシュ 2002

HAPPENINGText: Clarisse Dusser

最近、パリ市長のドラノエ・ベルトランは、フランスの首都での文化的なイベントなどを推進している。ジャン・ブレーズの企画で開催されたこのアートイベント。パリのセーヌ川の両側に沢山の砂や、サンベットやパラソルが並べられ、夜にはパリ中でアートサーキットのようなパーティが行われた。

イベントのアートディレクターとして、ジャン・ブレーズは、ライトアップされた街で人々が自由に出歩き、一緒に遊んだり集えるようにした。10月5日と6日には、古く有名な建物やあまり知られていない広場などが特別にライトアップされた。

20以上のプライベート、そしてパブリックスペースが夜もオープンし、アーティストなど数百人が招待された。この日、流行のバーの様に改装されたシティハ-ルサロンでは、夜通し、コンサートが開催された。プールは夜も営業し、数千の光のように、輝いていた。フランスの歌手で音楽家のアーテュ-ルHとタカハシ・サモンの、二人の即興演奏も行われた。

国際ミッテラン大図書館はプレイステーション用の巨大なスクリーンとなり、ヨーロピアン・フォトグラフィー・ハウスが主催するコンペティションが開催され、バイオ・アートから影響を受けているアーティストが集まり、ハイテクな世界が紹介されていた。

ビデオアーティストのピエリック・ソレンは短編3Dアニメーションを制作し、パリのレ・ギャラリー・ラファイエットというデパートの窓で上映された。これはホログラフィックのおかしな主人公の俳優によるダンスのサンプルビデオであった。ユーモアと絶望を織りまぜ、アーティストの活動について皮肉的な意見を作品に取り入れ、短い映画やアニメーションを制作しているピエリク・ソレンは、40才になる。1995年から、「スマール・ヴィジュアル・スペクタクル」というインスタレーションを多く行ってきた。詩的と皮肉的なのはハイテクノロジーの使用にあり、自ら撮影し、あざけ笑っているようだ。

レ・ギャラリー・ラファイエットの近く、パリの素晴らしい宮殿の下で、ベトナム人の若いデザイナーのミン・ハンは「ホー・チ・ミン・パリとサイゴンの若い女性達」という作品を発表した。有名なDJのローラン・ガルニエの演奏を聞きながら、きらきらと光り、香料の香りがするアオザイをまとったベトナム人のファッションショーだ。これはミン・ハンにとって自身の作品を初めてフランスに紹介する機会で、私達がそこから幸せを感じたように、彼女の未来も明るいものであることを願いたいと思う。

今回の「ニュイ・ブランシュ」(徹夜)は、国際的なクリエーションの場として、パリに新鮮な文化の空気を運んできた。来年も同じようなイベントが企画されることを祈りたい。他国の街の市長もこの考えに影響を受けて、コンセプトを開発していけばと思う。

Nuit Blanche 2002
日時:2002年10月5日・6日
会場:パリ市内
https://paris.fr/fr/nuit_blanche/

Text: Clarisse Dusser
Translation: Jeremie Cortial

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