SWARM

HAPPENING


季節始めは 新たな企みを抱いてしまう。特に、秋という季節はあらゆる感覚を刺激してくれる。そんなセンシティブなスピリットが一つの大きな SWARM(群れ)をつくり、バンクーバーの一夜をセンセーショナルなものにしてくれた。

今年で3回目を迎えた「SWARM」。コンテンポラリーアーティストたちが幅広く活動できるようにと、ノンプロフィットで運営されているギャラリー(アーティスト・ラン・センター)主催のアートオープニングレセプションがバンクーバーの20ものギャラリーで行なわれた。一晩だけの、いわゆるビジュアルアートナイトは、アートスクール生徒だけではなく、クレイジーな賑わいに足を運ぶ人々で溢れていた。


Asianpunkboy “APB01 : The Empty City, July 2002. Special drawing for the Belkin Satellite”

マウント・プリーザント、ダウンタウン、そしてガスタウンを中心に 皆スワム(SWARM)するのだが、その中でも、ひときわエキサイトしていたのが、ベルキン・サテライト・ギャラリーだった。「サジェスティブ・ライン」と題されたエキシビションは、キュレーター、リー・プレステッドとスコット・ワトソンによって選ばれた18のアーティストによる「フィグレイティブ・ドローイング」をテーマにしたもので、あらゆる手法でユニークに表現されていた。


Miguel da Conceicao : “Tommy Tommy” 2002

バンクーバーからは、ローカルコンテンポラリーアーティスト、ミゲル・ダ・コンセイサオ、イグナシオ・キャロル、ジェイソン・フィッツパトリック、ジェフリー・ファーマーアンド、ブライアン・ジャンガー、マイケル・グアリー、ヒューマンファイブコレクティブ、アティラ・リチャード・ルーカス、マイファニー・マックリオド、ナターシャ・マックハルディ、ジュディ・ラジュール。またニューヨークのアジアン・パンク・ボーイ、ブルックリンのジル・ヘンダーソン、トレーシー・ナカヤマ、トロント、ロスで活躍のシャーリー・ボイル、カナダを拠点とするローン・マーティーヌが、フリー、かつ洗練された姿勢で自画像などありのままの姿を描いている。


Tracy Nakayama : Dance Lesson with Jerome, 2000

ここでいう「フィグレイティブ・ドローイング」とは トラディショナルな意味をもつというより、ゲイカルチャーを意識したもので、つまり人間そのものを描いたセンセーショナルなものであった。線と線、点と点が結びついて作り上げられるドローイングのように、人と人との関係も慎重かつ心地よいフローで成り立っていく。18色の異なる凛凛しいラインがヒューマニティを最大限に描いている。


Natasha McHardy : “Ennui Swamp Drawing” 2002

SWARMの第一目的はアーティスト・ラン・カルチャーの促進とパブリックへの浸透だ。異文化に溢れるバンクーバーならでのイベントといえるだろう。そして、ベルキン・サテライト・ギャラリーでの「サジェスティブ・ライン」は、まさしくそんなバンクーバーカルチャーにのっとったエキシビジョンになったに違いない。

バンクーバーは、ノースアメリカでも唯一パブリックギャラリーが多く集まる都市であり、若手アーティスト、コンテンポラリーアートシーンの盛り上げに力をいれている。営利的ギャラリーではないため、アートワークの売買はないものの、年に一度、ギャラリー運営の資金調達ということでアートワークが販売される。とにかく、アーティストにとっては絶好の表現スペースにまちがいない。インターナショナルな活動を、バンクーバーのアーティスト・ラン・ギャラリーから始めてはいかがだろうか。

SUGGESTIVE LINE
会期:2002年9月6日〜29日
キュレーター:リー・プレステッド、スコット・ワトソン
会場:BELKIN SATELLITE
住所:555 Hamilton Street, Vancouver BC V6B 2R1 CANADA
www.belkin-gallery.ubc.ca

Text and Photos: Aya Takada from SML-(6j6)

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