NIKE 公式オンラインストア

第3世代携帯電話

THINGSText: Stefania Garassini

携帯電話とコンピューターは一つのデバイスとして結合しつつあり、その違いが曖昧になってきている。近い将来には、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)を用いた携帯電話の第3世代が到来し、この傾向が顕著になるだろう。しかし一体どのような物になるかは未だ不確かで予測するのも難しい。


Siemens, SX 45

第3世代携帯電話(3g)をめぐって様々なレベルでエコノミック・ゲームが展開されている。世代携帯電話の標準規格が発表され世間の期待は増しているが、オーディオ・ビデオ機能を搭載し、ネットサーフや電子メール受信ができる真の「ワイヤレス・マルチメディア」として 製品の可能性を生かすにはまだ速い感がある。年を重ね、新しい技術が開発されるたびに製品の機能(IT&テレコム・フェアでしかお目にかかることのできないプロトタイプもあるが)はますます増えていった。期待が高まるに従い、実現性を考えずに技術面ばかりを強調するような誇大広告がはびこる。


Motorola, A820

ところが突然業界に静寂が訪れた。昨年のファイナンシャル・タイムズは「携帯電話はどこへ行った?」と記事を書き、数カ月後のビジネスウィークは製品の市場への送り出しが遅れていることに焦点をあて、第3世代携帯電話を「ひどいデザインの最も複雑な一般向け電子デバイス」と呼んだ。各社の次世代デバイスがどんな特徴をもつのか言及することはほとんど不可能だ。利害関係が激しく製品と発売のタイミングが懸案事項になっていて、機密保持が保たれている。そんな中、モトローラだけが初の次世代モデルを発表した。今年の後半には売り出される予定の「A820」はMP3リーダーが搭載されオプションでビデオカメラが使える。このアメリカ企業はエンターテイメントと結びついたアプリケーションを備えた製品で市場の気を引きたかったようだ。その他の巨大携帯電話会社は真のワイヤレス・マルチメディアへの変遷となる予定の第2.5世代のデータ通信システムに焦点を絞った。


Motorola, Alcatel and Siemens, Pendant Phone (prototype)

携帯電話を定義するのが難しい理由は、携帯電話がIT研究機関が数年かけて作り上げた極端なイノベーションの数々を盛り込んだ道具になっているという状況にある。将来においてパームサイズPC/携帯電話は革新技術を最大限に生かすと同時に使い易くて親しみやすくなければならない。マサチューセッツ工科大学は「ウェアラブル」なコンピューターに対する調査を特集したが、それによると、モトローラ、アルカテル、シーメンスが携帯電話のプロトタイプとして、服や宝石の様に身につけることができるIT装置を開発中で、最近「ペンダント・フォン」という首にぶら下げる電話を発表した。人体信号や反応を調査している「アフェクティブ(感情)・コンピューティング」の研究結果はアメリカ企業の製品モデルに影響を及ぼしている。軽量ヘルメットやゴーグルを介してバーチャル・リアリティを実現する機種がアルカテルによって開発中で、スクリーンと電話器とを切り離して動画の活用性を容易にしている。また、日本の慶応大学が実験している「拡張現実感技術」は現実世界を解読する一助となる。このようなテクノロジーを使えば、例えばユーザーがどこにいるか判断してその地域のサービスを提供することができる。これは第3世代市場で人気を博す強烈なアプリケーションになると考えられている。

続きを読む ...

【ボランティア募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
MoMA STORE