第3世代携帯電話

THINGSText: Stefania Garassini

ノキア「5510」はワイド・キーボード、MP3ファイル・リーダー、ビデオゲームを搭載し、携帯電話をエンターテイメントと社交の道具と認識する若い人々をターゲットとした。ソニー・エリクソンやノキアの最新モデルはビデオゲームとデジタル写真を強調して、どの機種もカラー画面を備えている。特筆すると、ソニー・エリクソンの「T68i」は撮った映像をリアルタイムで送信でき、ノキアの「7650」は高画質カメラを内蔵している。ソニー・エリクソンの「Z700」は前記の機能に加え、ビデオゲーム用のアプリケーションが搭載されている。


Nokia, 5510

ブラックベリーは特別な機種で、カナダのリサーチ・イン・モーションが開発したポータブル・Eメール携帯端末だ。1999年に北アメリカで発表されたが、ヨーロッパ市場にも上陸している(ティムとプロバイダーのダダとの契約が結ばれるとイタリアにも入ってくる)。ブラックベリーは移動しながらのEメールという問題を効果的に解決した。電話機は常に電源がオンの状態でメッセージが届いたら知らせてくれる(プッシュ・モード)。第3世代携帯電話が「問題がでてきたらそれに対する解決策を見つける」という堂々回りに陥らないためにも、このようなハッキリとした要望を認識する必要がある。このことは普及する前に賞賛された多くの技術(ビデオフォンからバーチャル・リアリティー、インタラクティブTVからWAPなど)につきまとってきた問題だ。しかし昨今投資に新たな局面が訪れている。


Blackberry, 5810

『我々は2つの方向性で研究をしています。一つは様々な機能を統合する研究、もう一つはある機能に特化したディバイスの研究です。』アラカテルのマーケティング・マネージャー、アンドレア・マルビーニが述べる。このフランス企業は単一機能デバイスの様々な製品を作っている。すでに市場に出回ってる物ではラップトップ・コンピューター用の次世代モデムがある。この路線でまず第一歩を踏み出したのがブルートゥースで、イヤホンや外付けキーボードなどの色々なアクセサリー類をワイヤレスで結び付ける事ができる。機能の特化と先ほど述べたような機能の分配の究極は「身につけられる」デバイスであり、アルカテルのデザインの強みになっている。そしてモトローラにとっても重要な研究分野だ。

『将来必要とされるのはさらに多くの情報だというのが我々の見解です。』モトローラのリード・デザイナーのルリアス・ルカチは言う。『しかしそういった情報を管理するのに用いられるのは直感的な方法でしょう。例えば液晶画面が必ずしも理想的なインターフェイスではありません。液晶画面はユーザーがどこかで座りながらそれをのぞいているという状況を設定しているのです。』モトラーラは抱合言語とテクノロジーの情動関係の研究を進めている。例えば、球形の電話やネックレスのようなビデオカメラなど身につけている人が気にならないようにデザインされた物。『我々はこれらのデバイスと相互に影響しあい、その相互作用が気分のよいものでなければならないという前提から出発しました。』ルカチが語る。『メッセージをフィルタにかけ、優先事項を拾い出すような技術とユーザー・インターフェイスに心血を注いでいます。』すでに計画されているのは文章を行で表示するだけのマイクロディスプレイ・テクノロジーを使ったスティック状のデバイスで、覗き込めば大量の情報を見る事ができる。環境や自分の体と同じように不可欠な広大なインフォメーション・ネットワークの一部に電話というものが存在している。モトローラのリサーチ・グループが『インテリジェンスは何処にでも存在する。』と言ったのにもうなずける。『ポイントはユーザーがどこでこのような進化に対応するかです。』とルカチは結論づけた。いつの時代でもテクノロジーだけが全てではない。

Text: Stefania Garassini
Translation: Eriko Nakagawa

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