第15回シンガポール国際映画祭

HAPPENING


毎年恒例の、シンガポール・インターナショナル・フィルム・フェスティバルの季節が今年もやってきた。デジタルテクノロジーの進歩と共に、地元で制作されたフィルムが狙っているものは大々的な生まれ変わったその姿を見せ付けることである。低価格で編集し易いシンプルなソフトウェアがあれば、何故地元のプロダクションの数がこれ程にまで増加したのかは言うまでもない。そして今年。デジタルフィルムとアニメーションフィルムを、人々により身近に感じてもらうのがこのフェスティバルの目的である。

昨年はチケットが完売したこのフェスティバル。チケットが取れない、といった苦い経験をした多くの人々は、今年こそはと、テクノロジーの力を利用してオンラインで予約をしているようだ。これでがっかりするということはなくなるだろう。今年のフェスティバルは、インターネットを通じて人々にフィルムをより身近に感じてもらう為に、テクノロジーにかなりの力を入れているようだ。ザ・アジアン・デジタル・フィルム・アワードで最終審査まで残った作品が「8ARTS」のオンライン上でショーケースされている。元々は2000年に紹介されたものだが、今年「ザ・デジタル・アリーナ」での発表の為に、16のデジタルフィルム、そしてアニメーションフィルムがお披露目される。視聴無料で、人それぞれの視点観点で鑑賞していいのだ。フィッシュ・ドント・フライはタイのフィルム。あなたが本当に欲しいものを知っているのはあなただけ。この金魚が、僕が拒むある一つの事を僕の代わりに受け入れてくれればいいのに、と切望する少年の姿を描写している。この作品等、海外からの作品を含んだコンペティティブ、そしてノンコンペティティブ・セクションにおいて重要な役割をはたしている作品ばかりだ。その他にも、ザット・イズ(インド)や、アバス等の地元からのエントリーも要チェックである。

もしデジタルフィルムやアニメーションフィルムがあなたの好みではなくても御心配なく。幅広いジャンルからの作品を紹介しているのが、今年のフェスティバルの特徴だ。アジア(中国、香港、韓国、タイ、ベトナム、スリランカ)そしてアメリカ、フランス、カナダ、ドイツ等から集められた390点以上の作品がフィーチャーされている。ジャンルもアート・ハウス・フィルムからシンガポール・ショート・ショート、アメリカン・ショート・ショートのローカルバージョンからのショートフィルム等、本当に幅広い。

今年のフィルム・フェスティバルは、イランの作品、カンダハールでスタートした。アフガン生まれのジャーナリストが、カナダへ避難した後に、彼女の妹が自殺を試みる計画についてのニュースを、何年か後に知るという心の葛藤を描いた作品に、フィクションとノンフィクションをブレンドし、ジャンルの境界線を曖昧なものにしている作品だ。避難した場所へ戻ることへのジレンマとの直面。社会的ルールと、単なる社会的恥辱を越えた描写に挑戦している作品だ。

地元からの作品「TALKINGCOCK-THE MOVIE」は、ユーモアのある視点からシンガポールの今の姿に着目している、地元で人気の付随的なウェブサイトだ。法に違反した高利貸が、喫茶店で、地元のア−・ベン(熱烈なファン)にオンライン上で迫る、という策略が込められている。とにかく面白みを追求した作品。地元で制作され、自分達をからかいながらも地元を描写しているのだ。

デジタルテクノロジーと安いコストによって、フィルムの境界線は更にその幅を広げた様に思われる。才能の芽を開花しつつあるディレクターに、彼等が心に描くものを制作する遠慮等何も無い。あるいは、あなた自身にもこのフィルム・フェスティバルへの参加をあきらめる理由等も無いのだ。なにはともあれ、クリックをすることから始まるのだから。

15th SINGAPORE INTERNATIONAL FILM FESTIVAL
会期:2002年4月11日〜4月27日
会場:Prince 1 Cinema
住所:#03-00 Shaw towers 100 Beach road Singapore 189702
TEL:+65-6296-2929
filmfest@pacific.net.sg
http://filmfest.asia-online.com.sg

Text: Fann ZJ From Npsea Enterprise
Translation: Sachiko Kurashina

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