ドリーム・チェイサー

PLACEText: Alistair Beattie

パーク・アベニュー・プロダクションからミー・カンパニーに依頼の連絡が初めて来たのは、2001年2月の事だった。パーク・アベニュー・プロダクションのクライアントであるジェネラル・モーターズ(GM)へのエキサイティングなプロジェクトの協力が、その依頼の内容だ。これは、クロマソマと呼ばれるミー・カンパニーの新しい部門にとって理想的な最初のプロジェクトだった。

アニメーション・スタジオで、キャラクターデザインも行うクロマソマ。このクロマソマの役割は、ウォルト・ディスニー・ワールド®のEPCOT®テーマパークに設置される予定の「ドリーム・チェイサー」のために、アニメーションの乗り物を作るといった、かなり大規模なものだ。この「ドリーム・チェイサー」は、観客が個々にオーディオビジュアルヘッドセットを用いて、映画を振動や衝撃とともに体験できる椅子(フォース・フィードバック・チェア)だ。

この映画は、ジーナとモーという2人のキャラクターと、GMの革新的な研究開発プロセスの長所を称賛する様々な環境をフィーチャーするものであった。パーク・アベニューは、キャラクターデザインの視覚的な強さと、以前にソニーのプレイステーション®用に作られたキャラクターデザインの長所と、現代的な見た目の印象によってクロマソマに魅せられたのだ。

『ミー・カンパニーの現代的なデザインスタイルと、古典的な物語の作り方のミックスが気に入って、彼等と仕事がしたいと思いました。非常に大きな仕事を彼等にお願いしましたが、有能なチーム、熱い情熱とクリエイティブ性でこなしてくれました。彼等のような有能なスタッフと仕事を共にできたことは、刺激的な経験でした』と語るのは、パーク・アベニュー・プロダクションのクリエイティブ・ディレクターの、ヘンリー・ペプロウだ。

このような有り難い言葉だけではなく、彼らはまた、私たちが提供する予算を意識した柔軟なブティック志向のサービスを高く評価してくれた。このプロジェクトは、「ドリーム・チェイサー」テクノロジーと実装の様々な側面に独立して取り組んでいる多くの外部下請け業者による巨大な組織的事業でした。開発の過程は動的であり、長期に渡る制作期間の間、変更やクライアントのアイディアに対応できることが不可欠であった。

大まかな概要には、サイトの具体的なグラフィックデザイン、シグナル、そして「ドリーム・チェイサー」テクノロジーを示すブランド・アイデンティティのクリエーションが含まれている。

キャラクターがまずはじめに作られ、プロジェクト全体の為のビジュアル言語を作るという段階を踏む、という方針に沿う為、デザイン工程は、別物として進行する必要があった。今回のプロジェクトでもデザインは一番面白いパートであったと言えよう。ポール・ガーナーと密接に活動したことで、クロマソマでは多くのキャラクターアイディアを吟味することができた。

週に一度の会議では、パーク・アベニューはもちろん、GM、クライアントにアイディアを発表した。デッサンは2週間の内に完成。私達の誰もがそれまでの進行状況に満足していた。その作業に区切りが着くと、今度はソフトイメージに取り掛からなければいけない。スケッチから、デジタルモデルとしてのキャラクターを作るのだ。それらは、XSIにおけるアニメーションとして扱われ、それ自身のテキスチャーと概観が作られていく。プレゼンテーションが幾度となく繰り返され、そして遂に、デジタルキャラクターは満足の行く形として完成され、その活躍の日を待ちわびるだけとなったのだ。

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