ガチャガチャ展

HAPPENINGText: Shinichi Ishikawa

通称「ガチャガチャ」を知っているだろうか?よくおもちゃ屋やスーパーの店先に置いてあるカプセルに入っている小さなおもちゃの販売機だ。なぜ、こんな名称で呼ばれるかといえば、お金をいれてハンドルをまわすのだけどその時に「ガチャガチャ」という音がするからだと思う。僕が小学生の頃には、20円のタイプが主流で、当時のブームもあって、スーパーカーの消しゴムのガチャガチャが人気を集めていた。今は、100円のタイプが主流のようで、ガンダムなどのキャラクターもののミニ・フィギュアが多いようだ。値段は上がったけど、昔のは出てきたカプセルをあけてみたら、ただの消しゴムの断片の「ハズレ」もあったけど、現在はそんなことはなく、小さいながらクオリティの高いものも多く、大人でも熱心なコレクターが多いらしい。

今も昔もガチャガチャは「何が出てくるかわからない」というのがコレクターを熱くさせる魅力だろう。自分の手持ちのなかで、ダブるものがあると仲間同士で交換したり、「〜のガチャガチャはいいのが出る」といった情報交換もされているのではないのだろうか。日本全国どこでもみかけるし、存在だけなら誰でも知っていると思うメジャーな存在だ。それに、コンパクトで透明部分のボックスとガッシリとした金属のフレームでささえられている外見が、外国のウォーターサーバーのようで可愛らしい。ボタンを押して出てくるのではなく、ガッシリとした手ごたえのハンドルをまわすとカプセルが出る、という少し面倒な操作感もまわしながら「イイの出てこいよ!」と心の中で祈ったりして、その「間」も楽しい。

さて、今回このガチャガチャを利用して、世界のクリエイターがデザインしたバッジを入手できるイベント「Gacha PARCO」が札幌パルコでも行われた。世界中の44組のクリエイター、80種類のデザインが用意され、地下2Fと4Fをメインに白いガチャガチャマシンがならんで注目を集めていた。料金は一回、200円でカプセルに2つのバッジが入っている。クリエイターらのオリジナル・デザインがいろいろ使えるバッジという形で提供するという手法はとても親しみやすく、誰にでも興味が持てるスタイルで評価できる。さらに、そこに何が出てくるかわからない、「ガチャガチャ」を使うことによって、コレクター心をくすぐる、より楽しいものになっていた。今回のこの試みはマスに対してクリエイターの作品のリアルな発表の場として完成度の高いものになっていると思うし、こんなガチャガチャが常設されるような状況になればいいなぁ、と感じる。

さて、最後に僕の戦果がどうだったかって?最初のトライで稲葉英樹(日本)と、スペースインベーダー(フランス)のデザインのバッジを手に入れた。なかなかの好成績だと思うよ。

Gacha Parco
会期:2001年11月23日〜25日
会場:札幌パルコ
住所:札幌市中央区南1西3
https://www.parco-sapporo.com

Text: Shinichi Ishikawa

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