伊藤桂司 VS 生意気

HAPPENING

中目黒から連なるトラックの下、レンガの壁を持つドームの中にあるレストラン・バー「デポ」は、東京の最近面白いギャラリースペースの1つとなった。第2回「バーサス」展で、グラフィックデザイナーであり、イラストレーター、ディレクターでもある伊藤桂司(UFG-アンアイデンティファイド・フライング・グラフィックス)と、生意気のクリエイティブ・カメレオンのデヴィッド・デュアル・スミスとマイケル・フランクは共に、制作中の作品をスケッチしてコピーしたものを立体的に膨らませて、多角的な子牛の彫刻を創作した。構成の複雑さは、実に素晴しく、それが苦心の作だったことは言うまでもない。そしてそれは、シティセンターのあちこちをマルチカラーの牛が歩き回るシカゴのストリートを思わせた。


生意気と伊藤桂司は、いつもさまざまなクリエイティブなプロジェクトを行い、彼らの作品は、他の物との違いを持ちながらも、いつも私達を驚かせ、楽しませてくれる。今回の場合は、思考を呼び起こし、イメージを焼きつけるという形でスパークした。一般的に東京は、動物がいない地帯(奇妙なデザイナー犬、野良猫、食べ物をあさるカラス、癪にさわる蚊は除く)だ。だから、ネオンで彩られる東京の道を、多角的生物シリーズによって動物的にしていくという、このテーマの下で行われたコラボレーションを見るのは、良い経験だ。生意気と伊藤桂司氏にこのエキシビションについて、お話を伺った。

まず初めに、自己紹介をお願いします。

生意気(デヴィッド・デュアル・スミスとマイケル・フランク)、そして伊藤桂司です。古い友達で、楽しい仲間です。一緒に何かすると、内側の狂気に火がつく。僕たちは多分、お互いにそんな関係。

この「バーサス」展では、どのようにコラボレーションを行いましたか?

生意気:真実という、素晴しい感覚の世界でコラボレーションしました。精一杯進んで到達するための道のりを、何の考えもないところから歩き出しました。素晴しい物にたくさん出合い、多くの宝物を得て戻ってきました。

伊藤桂司:“Technique and Picnic”っていう言葉を思いついた時、このコラボレーションは、うまくいくだろうと思った。きっかけとしては、充分すぎるほどバカな言葉。

どのようなプロセスを経て牛/子牛の彫刻を制作しましたか?

生意気:本物の牛のスケッチから、一連のクレイモデルを作りました。それをデジタル化し、レーザーで高い張力を持つフォームの芯を削っていきました。牛のよだれは、まず基準寸法を使ってCADのソフトでモデルを作り、グルーガンを牛に直接たらして作ったのです。

伊藤桂司:楽しそうに牛を創っている“生意気”を見てるのが、これまた楽しかった。2人はまるでマッド・サイエンティスト。そして、大きな子供みたいだった。

どのようなインスピレーションを受けましたか?また、このエキシビションでの意図はどのようなものですか?

生意気:インスピレーションは、私達が台無しにする場所や空間ですね。動物と彼らが今日の世界で担う役割によって、繰り返して止まない悩み。それと、最近のヨーロッパツアーで描いてきたスケッチブック。不幸。
ここで意図したのは、独自の論理に従ってコラボレーションのプロセスはなされるべきだという考えを確かなものにするという事です。そうすることで、面白くて好奇心をそそられるような作品を生み出し、コラボレーターとオーディエンスの両方を驚かせる事になるのです。よく、絵を描くという活動はある意味で音楽と結び付けられますよね(得に即興では)。

伊藤桂司:動物とフルーツと音楽、ドローイングとインプロヴィゼーション、突発性と偶然性が、僕たちのインスピレーション。会場でのテープ・ドローイングは、それ以外のなにものでもない。

さまざまなメディアで活躍していらっしゃいますが、創作の自由とあなた方のアートプロジェクトについてコメントをお願いします。

生意気:創作の自由というのは、自分自身に与えるものだと思います。自分達の楽しみに吹き込む事ができる、たくさんのもの(ナンセンスかな?)。それで、私達の生活がより有意義なものになるでしょう。
伊藤桂司:モノを創ることは、呼吸したり、食べたり、眠ったりすることと同じ。モノを創ることで、身体と脳と魂のバランスをうまくとっているのだろうと思う。

現在行っているプロジェクトや今後の予定について教えて下さい。

生意気:ユニットバス・ライブとDVD。奇妙な2002年着物パフォーマンス。パルコで開催予定の「テクニック・アンド・ピクニック」。ヤマハ、「生意気サブマリノ」。ニューメディアのリソースを必要とする人達(僕ら)の図書館。それから、エコシステムに関するものを何かするかもしれません。

伊藤桂司:新しい作品集 “SUPER CASSETTE SOUNDS”の出版と展覧会。パルコ・スクエア7でのバーサス展など。他にも何かあったけど忘れた。

最後に何かメッセージあればお願いします。

コマンド・オプション・コントロール&エスケープ。

VERSUS 02 – KEIJI ITO VS NAMAIKI
会期:2001年8月20日〜9月1日
会場:DEPOT
住所:東京都目黒区上目黒2-43-6
TEL:03.5773.5502

Text and Photos: Andrew Thomas
Translation: Naoko Ikeno

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