カウボーイビバップ

THINGSText: Chibashi

TVアニメーションの不朽の名作「カウボーイビバップ」の劇場版「COWBOY BEBOP 天国の扉」が、遂に9月1日から公開される。

2071年の火星を舞台に、 あの4人と一匹のスペースカウボーイたちが帰ってきた。疾走感のあるアクション、躍動するジャズのリズム、クールでいてコミカルでもある個性的なキャラクターの面々が織りなすドラマは健在で、大きなスクリーンで見る「カウボーイビバップ」は、またひと味違う迫力だ。今やハリウッドも注目する本格ハードボイルドの本作品は、TV版からのファンはもちろんのこと、映画で初めて見る人にとっても満足のいくエンターテイメント作品に仕上がっている。


© SUNRISE INC.

2071年、火星。 ハロウィンを目前にしたクレーター都市アルバシティーの高速道路で爆破事件が起こった。それは、正体不明のバイオ兵器を使用したテロであった。火星政府はその首謀者と思われるテロリストに未曾有の賞金3億ウーロンを掛ける。

あいかわらずの貧乏暮らしが続くビバップ号のクルーは、またいつもの様に、最悪のチームワークで賞金首を狙いはじめる。それぞれが集めた情報から浮かび上がる犯人ヴィンセントは、この事件より前に死亡しているはずの男だった・・・。

謎が多く、感情も理性も持たないヴィンセントは、「カウボーイビバップ」史上最強の不死身の男。そして彼を追う謎の女エクストラ。果たしてビバップ号の主人公達に勝算はあるのか?


© SUNRISE INC.

全てをかけて自分の思うように生きる格好良さ!迷いや自信を無くしスピードを失った現代の世の中で、本当に輝いて見える生き様を見せてくれる作品。それが『カウボーイビバップ』だ。街を歩く、駆け抜ける、寝る、喰う、、そういった仕草のひとつひとつに自信がみなぎってくる格好良さ。そんな何気ないシーンのひとつひとつが、この劇場版では余すことなく表現され、それがタフなアクション・シーンや、クールなセリフの一言にまで命を与えている。スクリーンの端までに、映画づくりへのスタッフの熱い思いが込められた今回のビバップ。何も考えずにこの世界に飛び込み、自分の目で、耳で、この映画が奏でる魂を感じ取って欲しい。

「カウボーイビバップ」は、TVアニメーション作品として1998年4月にテレビ東京で13話のみ放送され、アニメファンのみならず、幅広い層からの絶大な支持を受け、その年の10月からはWOWOWで全26話が完全放送された。SHIFTの読者にも「カウボーイビバップ」に衝撃を受けたという人は決して少なくないはずだ。

あの突き抜けるホーンの音から始まるオープニングの衝撃は、そこに全く新しいアニメの世界が開けたことを確信させるに十分なものだった。


© SUNRISE INC.

ワイルドで華麗なジャズのオープニングテーマは、アニメのサウンドトラックの世界を一躍メジャーシーンに変えてしまった作曲家、菅野よう子が率いる「シートベルツ」。全編にわたってバラエティーに富んだサウンドがストーリーに彩りを与えている。ちなみに現在までリリースされTV版の4枚のCDは、70万枚を越えるセールスを記録し、1枚目のサウンドトラックは、 1999年に日本ゴールドディスク大賞にも輝いている。今回の劇場版でも新作が発表され、作品の欠かせない魅力になっている。

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