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ファンク・スタジオ

PEOPLEText: Naoko Ikeno

東アジアのなかでも、ニューメディアシーンが急速に発展しつつあるシンガポールで、クリエイティビティに焦点をあてた興味深いプロジェクト「トランスミッション」が始まった。公開されたばかりのウェブサイトでは、シャイノーラによるアートワークが発表され、そのプリントバージョンでは、Eボーイの作品がフィーチャーされ、今後展覧会も開催予定されているなど、オン/オフラインをミックスした注目すべきプロジェクトに発展することだろう。トランスミッション・プロジェクトを手掛ける「ファンク・スタジオ」にお話を伺った。

まず初めに、自己紹介をお願いします。

ファンク・スタジオです。面白い人や、クリエイティブに関するインフォメーションをまとめています。僕達は、同じアートスクールでグラフィックデザインを勉強していました。学校でぶらぶらと時間を過ごし、94年に卒業後、ファンク(PHUNK)を結成しました。インフォーマルなファッションから始めたファンクが、それからゆっくりと現在の活動へと変化してきました。

ファンク・スタジオについて教えて下さい。どのような活動をしていますか?

ファンク・スタジオは、ジャクソン・タン、メルビン・チー、アルビン・タン、ウィリアム・チャンで構成されています。現在は、トランスミッション・プロジェクト、ポピュラー・サイエンス(インターナショナルなポピュラーカルチャーを扱った雑誌)、プラスチック(イラストレーションとアニメで作られたプロモーションビデオ)、ゲリラ的なデザインフォント、自分達の洋服ブランドの設立など、多くの活動をしています。

このオンラインマガジンを始めることになったきっかけについて教えて下さい。

僕達が尊敬し、同じような考えを持っているクリエイティブな人達とシェアしたり、コミュニケーションをとったり、作品展示を行ったりするチャンスを作りたいと思ったのです。またこれは、ワールドワイドウェブ、デザイン、出版といった、僕達が好きなことを組み合わせたものでもあります。スクリーンのポップアップウィンドウズのアニメーションでは、プリントした雑誌を作れないでしょう?だからオンラインマガジンは、僕達が書いている記事を発行するには、最適で、賢明な方法だと思います。

どのようなメンバーでこのサイトを作っているのですか?

ファンクのメンバーと、世界中からのコントリビューター、コラボレーターで作っています。コントリビューターは、それぞれの作品をウェブマガジンのショーケースに持ち込んだり、新作(だいたい、ユートピアをベースにしたもの)を紹介したりしています。また、ウェブサイト・デザインの際のテクニカルサポートのために、アッパーストーリーのようなパートナーもいます。ウェブマガジンの協力編集者や、投稿してくれるライターもいます。このサイトはみんなの努力の賜物です。僕達だけではできないでしょうね。

内容について教えて下さい。どのような内容ですか?

第1号では、今後の号のためにこの雑誌の雰囲気や構成を整えました。テーマのとおり、「デビュー」というわけです。シャイノーラ、プラスチック、ネオム、アンドレ・ウェイスメイアのような、新しい才能を発信しています。第2号は「プレイ」というテーマの予定です。

このウェブマガジンは4つのメインセクションからなっています。メインアーティスト・フィーチャー:プロフィール紹介とインタビュー。アーティスト・ギャラリー:多様な文化からの話題や作品のショーケース。コミュニティ:様々なクリエイティブ・コミュニティーに関する記事。コントリビューターズ・プロフィール:コントリビューターによる作品やメッセージをフィーチャー。

どういった個性をもったウェブマガジンにしたいでしょうか?またオンラインだけでなく、プリントや、展覧会などオフラインの活動もしていくのでしょうか?

風変わりで、ちょっと生意気な感じになるだろうと思っています。このサイトでこれまでのオンラインマガジンやウェブページのスタンダートなやり方を打ち破るために、新しいデザインフォーマットを経験してきましたから。これまでの環境で普通に作動していたコンピューターを、もっと活用したかったのです。このサイトに関する意見を賛否両論沢山聞きました。これは、新しいアプローチです。彼等の反応は、すごく好きになるか、大嫌いになるかのどちらかなのです。グレーの領域が無い。まだまだ、探し当てなくてはいけないコンセプトを見つけることができると思います。僕達はまだ、遊びながら、改良している過程にいるといって良いでしょう。意見やゴシップを交換するBBS、大好きな音楽を放送するためのラジオも作る予定です。

才能ある人材のプロフィール紹介や特集に加え、例えばおもちゃとか、昔のカンフーコミックといった、ポピュラーカルチャーに関する型破りの記事も掲載予定です。このウェブマガジンは、隔月で更新のウェブサイト、季節毎に限定でリリースされるポスター、年刊の本、CD-ROMを含むトランスミッション・プロジェクトの一部です。この本がリリースされたら、主要都市での展覧会も考えています。

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