ウィンストン・スミス展

HAPPENING

背広をきちんと着こなした父親、優等生らしき子供達、そしてそんな家族に微笑みながら食事を運ぶ母。一見すると、食卓を囲んでの幸せな家庭風景を描写したかのように見えるウィンストン・スミスのイラストレーション。そんな彼の作品に一歩近づいてじっくり鑑賞すると、そこには表面上の善良な雰囲気とは全く正反対な、ドロドロしたメタファーが隠されている事に気づく。例えば、テーブルの上に横たわる巨大なクモ。あるいは、生肉を食いちぎる上品な女性のイメージ。みかけの爽やかさにつられて、安直にスミスの作品にアクセスすると、突然カウンターパンチをくらわされる。


70年代後半に、 パンクバンド、デッドケネディースのアルバムデザインを手がけて以来、「パンク・コラージュアートのゴッドファーザー」として人気を得たウィンストン・スミスは、イグザクト・ナイフとノリを使ってコラージュを制作し続けるアーティストだ。 50年〜60年代に発行された雑誌を主な素材として、カット&ペーストで構成される彼の作品には、当時のアメリカにおいての皮相な社会観 —人種差別、殺人、ドラッグなど、現実で起こりえるネガティブな問題を一切無視した理想像— をあざ笑うようなシニカルな風刺がうかがえる。パンク全盛時代の挑発的なアティテュードは、現在の彼の作品にも継承されているようだ。

2月1日から28日まで、サンフランシスコ市内のカルチャー・キャッシュ・ギャラリーにて、「WINSTON SMITH 2001: NO TURNING BACK」と題したエキシビションが開かれる。スパイスのきいたスミスの最新作と、彼が活動初期に自費出版したというミニコミ、フォール・アウトからの実験的なイメージ集が公開される予定。スミスの活動史を辿るのに格好なイベントとなるだろう。

WINSTON SMITH 2001: NO TURNING BACK
会場:Culture Cache Gallery
住所:731 Florida St. #102, San Francisco CA
(between 19th and 20th Street in the Mission district)
http:/www.culturecache.com

Text: Kanya Niijima from MMSW Labs

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