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ファッションラボ 2000

HAPPENINGText: Rei Inamoto

ファッション・ラボラトリーズのプロデュースによるファッションイベント、FASHIONLAB 2000(ファッションラボ)が、ダウンタウン・アート・フェスティバルの協力のもと開催された。9月の小雨まじりのある土曜日に開催されたこのイベントは、マンハッタンのチェルシー地区にある、現在はガレージとして使われていて、将来的にはアート&テクノロジー・ミュージアムになる予定の場所、アイビーム・アトリエで開催された。

ショウの会場に近付くと、縦に並べられた光り輝く蛍光灯が来場者を出迎えた。ジュセッペ・リニャーノとアダ・トーラによる気鋭の建築デザイナーユニット、LOT/EK(ローテク)のデザインによる光が、古くさいガレージを来場者が歩き回ることのできる繭のような空間へと一変した。その縦に並べられた蛍光灯は白い伸縮性のプラスチックフィルムで覆われ、準備中のエリアをうまくカバーし、光の壁を作り上げていた。

2階程度の高さのあるキャットウォークも、その光の壁で覆われていた。キャットウォークに沿って中へと入っていくと、ビデオスクリーンが目に飛び込んできた。DJグループ、オーガニック・グルーヴが、都市の風景や正体不明のモーフィング3Dコンピューターモデルの映像に合わせてグルービーな音楽をプレイし、ファッションショウが始まると同時に、スクリーンの背後で準備をしているモデル達の映像やキャットウォーク上のモデル達が次々とスクリーンに映し出された。

ファッションショウでは、フランスのアートポイントM とニューヨークのトラッシュ・ア・ポーターのショウを開催。2つのコレクションが同じステージ上で同時に繰り広げられ、一つのスペースで2つのファッションショウが同時に開催された。トラッシュ・ア・ポーターが、ニューヨークのストリートと遊牧民にインスパイアされたような服を発表していたのに対し、アートポイントMは、フランス人モデル6人とデザイナー本人がモデルとして登場し、いくぶん政治的なテーマの作品を発表。スクリーンに投影された都市の風景と生の映像を背景にショウが行われ、モデル達が現れたり消えたりしているように見せていた。

アートポイントMのコレクションの多くは、「BLACK IS BEAUTIFUL」や「BLACK POWER」などのメッセージ性を持ち、服の表面に実際にそれらのメッセージが縫い付けられていた。それら文字のメッセージに加え、キャットウォークを歩くモデル達はSMのような小道具で縛られ、手錠をかけられていた。政治的なメッセージを持ったファッションは画期的で目新しいものではないが、デザインは、強さと意義の新たなレベルを掴み取ることができる。アートポイントMは、今回のショウでそれを証明していた。

さて、ここまでが、本イベントを客観的に見た視点。ここからは、ショウについての主観と意見をお伝えしようと思う。

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