トム・フィリップソン

PEOPLE


昨年2枚のアルバムを発表し、数々のデザインプロジェクトも手掛けるシドニーの DUMP HUCK/BEAT & SQUELCH。彼等は、この町のエレクトロミュージックのアンダーグランドシーンで、最も統合力のある強力な集団となっている。コミュニティーラジオのパーソナリティーを務め、事業家でもある DUMP HUCK の創立者、トム・フィリップソンに、彼のプロジェクトについて話を聞いてみた。

BEAT & SQUELCH と DUMP HUCK のインスピレーションは何ですか?

DUMP HUCK の主なインスピレーションは、地元の才能を援助/プロモートし、また、人権団体への意識を高めることです。僕達が今やっているプロジェクトの一つ、BEAT & SQUELCH は、アンダーグランドエレクトロアーティストによるコンピレーションCDシリーズなのですが、全曲アムネスティ・インターナショナルのオーストラリア支部のために捧げられ、CDの売り上げによる利益は全てアムネスティに寄付されます。

参加アーティストについて教えてください。

基本的に DUMP HUCK には、5人のアーティストが参加しています。

DEEPCHILD(リック・ブル):CDやフライヤーのアートワークを手がけています。

HBIKI(スチュアート・ウィリス):プロジェクトの法律的な問題を処理しています。

QUARK KENT(ギブ・パーバネフ):ウェブの制作やレイアウトを手伝ってくれています。

SONIK PROFESSA(フローシュ):大体はぶらぶらしているだけなのですが、いろいろ手伝ってくれています。

FUNKENBUBBLE(トム・フィリップソン):ウェブの制作からプロモーションまで、殆ど全てのことをやっています。

この他にも、将来有望なテクノチーム ALPHATOWN やクレイジーなヒップホップ・ブレイクビート・ビッグバンドファンクを作り出す AQUACE など、定期的に一緒に活動しているアーティストが何人かいます。

21世紀のオーストラリアの音楽とデザインは、どこに向かうと思いますか?

オーストラリアのエレクトロミュージックは今、アイデンティティの深刻な問題を抱えていると思います。ものすごく質の高い音楽を制作しても、当然その価値があるにもかかわらず、地元ではなかなか認められないのです。僕が思うに、この問題で重要な点は、僕らがもし地元でのサポートを受けられない場合、国際的な評価を得るべく違った感じになってしまうだろうということです。
でもそれも時間の問題だと思います。誰の目にも止まらずにそれほど長く続けて行くことは不可能です。ひとつだけ言っておきたいのは、もし僕らがやっていることが、インターナショナルマーケットで評価された後にのみ地元で認められるのだとしたら、それは恥ずかしいことです。
DUMP HUCK のデザイン面で言えば、僕達は皆、異なるエリアで異なるスタイルで作業をしています。オーディオは、僕達をひとつにする一つの側面ですが、デザインは、日々の生活を楽しくしてくれるものであって、今一番気に入っているおもちゃの一つです。

K-GRIND(オーストラリアの広周波数帯域の「ユースカルチャー」ウェブサイト)などの他団体とは異なる独自の哲学はありますか?

難しい質問ですね。レコードに関しては、個人的には、大企業がやみくもにアンダーグラウンドだとみなされているものにお金を投資するという K-GRIND の原則には賛成しかねます。アンダーグラウンドは製品ではないし、お金に換えられるものではありません。フリーなものです。それに金額を付けてしまうと、それはもはやリアルなものでなくなってしまうのです。この意見に反対する人もたくさんいるとは思いますが。また、予防可能な病気の対策に飢えている人達が全世界的に見て何百人もいて、これまでに莫大な金額のお金がプロジェクトのために使われましたが、実際何も成果が出ていないという事実があります。1,200万ドルものお金が費やされましたが、彼等は一体何がやりたかったのでしょう。
DUMP HUCK との違いは、僕達は、自分達ができる方法でやろうとしているだけなのだと思います。利益全てをチャリティーに寄付し、全ての作業をただでやっています。僕達が好きではないのは、彼等の哲学であって、人間ではないのです。

影響を受けた音楽/デザインはありますか?

くだらないダイレクトメールと悪質なポルノですね(笑)。本当にいろいろなものから影響を受けています。全体的には、僕らは皆ものすごくたくさんのものから影響を受けていて、一つを挙げるのは難しいですね。僕達が信じている重要なことは、自分達がやっている非商業的な側面だと思います。僕達のいるコミュニティーがインスピレーションとなり、自分達がラジオを聞いて、自分達が非営利団体と共に活動することのできるコミュニティーラジオやウェブプロジェクトを立ち上げる。皆、お金ではなく、愛という共通の目的のためにやっているのです。
少しバカげたことだというのは分かっていますが、皆お互いからインスピレーションを受けているのだと思います。

日本へツアーする予定はありますか?

日本のカルチャーにはすごく魅力を感じていて、DUMP HUCK ジャパンツアーを是非やりたいと思っています。カルチャーが全く違うので、何が僕達の好奇心を刺激するのか考えるだけでも楽しいです。CO-FUSION や ATJAZZ、レイ・ハラカミの活動を聞く度に、刺激を受けます。僕が好きなものが何かあるのだと思います。
去年日本を訪れた時に、面白くて素晴らしい人達にたくさん出会いました。短い滞在でしたが、ものすごく刺激を受けました。日本のテクノロジーも好きです。日本は巨大なおもちゃ屋さんのような感じですね。

Text: Luke Mynott from Beyond
Translation: Mayumi Kaneko

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE