オライト
クラッシュ誌で紹介されたORA-ITOの未来的なオブジェはパリっ子たちの目を釘付けにした。ORA-ITO(オライト)という、一見日本的な響きであるが、グループの中に日本人がいるというワケではないようだ。
「本名を文字って作りました」と、ITO。「星の王子様」のような、少年の面影を残す若干23才だ。
*ORA-ITOの「ORA」はオーラを、「ITO」はデザイナーのITO、つまり、「デザイナーITOのオーラ」を意味する。
ルイ・ヴィトン、NIKE、APPLE、LEVISなどの有名ブランド商品を勝手にデザインし、3Dヴァーチャルでしか存在しないそれらの商品をネット上で発表した。その2010年を想定した未来的なオブジェはクラッシュ誌に発表され、一躍パリ中の注目の的となった。
彼に簡単なインタビューをした。
影響を受けたアーチスト・ミュージシャンはいますか?
特にいません。
何か注目していることはありますか?
全体的なこと。
注目しているデザイナーがいたら教えてください。
ANDR・STERN、ANDR・BRUY・RE、ROGER VIVIER。
オブジェは商品化される予定はありますか?
秘密。
これからの予定をおしえてください。
秋に日本で YOJI NAKAMOTO のプロデュースよる展覧会に参加します。
彼はこの夏、パリで二つの展覧会をほぼ同時に開催した。
MUSEE DE LA PUBLICITE(広告美術館)では、「FUTURESPECTIVE1.0」を、PATRICIA DORFMANN ギャラリーでは「MY IDEAL ROOM」を発表。
特筆すべきは、PATRICIA DORFMANN ギャラリーについてだ。ORA-ITOをその記念すべき第一回目に向かえてパリに新しく登場した、他のアートギャラリーとはちょっと違う志向の注目したいギャラリーだ。
「デザイナー、ファッションデザイナー、アーチスト、料理人などジャンルを問わず、コンテンポラリーアート・ギャラリーの枠を越えた発想をもち、もっと多岐の分野に向けて展開したい。」というのがギャラリーのコンセプトである。
そして ITO は、RONAN ET ERWAN BOUROULLEC、JEAN-MARIE MASSAUD、そして CHRISTOPHE PILLET らのファニチャーデザイナーを招待して、彼の「理想の部屋」を実現した。
次はどんなことをしてORA-ITOは世間を騒がしてくれるだろう?
Text: Aki Ikemura from Ici La Lune