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「ビューティ」展

HAPPENINGText: Julien Villaret

この夏フランスで最も重要な展覧会が、フランス南部に位置する都市、アヴィニョンで開催された。展覧会のテーマは「ビューティ」。アートでは常に語られるコンセプトではあるが、アーティスト、開催地、アプローチなどの点でヴェネツィア・ビエンナーレとは一風違ったアプローチでの展覧会となった。

展覧会は主に3つのメインエリアで開催され、その他小規模なものは街の至る所で展開。この街中を使って作品を展示するというアプローチは、あらゆる作品を目にすることができ、最も古典的なものから現代的なものへの移り変わりを表現し、沢山の驚きを与えてくれるという点でとても面白いアプローチだ。


Anish Kappor, Yellow, 1999, Fibreglass and pigment, 6×6×3 m

メイン会場の側では、多くのアーティストが教会やバー、個人の邸宅などで作品を展示していた。教会内のスペースを改造したラ・モンテ・ヤングもその一つ。一歩教会に足を踏み入れると、6時間ノンストップでピアノを弾いている男のビデオ映像が迎えてくれる。もう一つは、回廊を使用してスライドと16ミリフィルムで個人的な家族の記録を表現したジョナス・メカス。主観的に美とは何かを表現していた。

アヴィニョンの巨大な歴史的要塞・アヴィニョン教皇庁で行われたメインの展覧会では、ペトラルカとラウラのロマンスが、この特別な場所のテーマになっており、アーティスト達の彫刻やビデオ、写真など過去10年間における様々な形式の作品を展示していた。


Jeff Koons, Split-Rocker, 2000, Stainless steel, soil, geotextile fabric, internal irrigation system, live flowering plants, 1135×1227×1086 cm, Photo courtesy of Galerie Jerome de Noirmont © Jeff Koons

中でも、ジェフ・クーンズの巨大な彫刻「スプリット・ロッカー」(2000)が印象的だった。宮殿の中庭に設置されたこの作品は、馬とドラゴンの頭を持ち、そこからは花が咲き乱れていた。照明効果を使用したジェームズ・タレルの「ワイド・アウト」(1998)やアニッシュ・カプーアの建築空間「イエロー」(1999)なども興味深かった。


Annette Messager, Eux et nous, nous et eux, 2000, Gloves, colored pencils, mirrors, stuffed animals, plush toys, Overall dimensions variable, Photo courtesy of Marian Goodman Gallery © Annette Messager

他には、水と火を表現するビル・ヴィオラのビデオ作品「クロッシング」(1996)や、独自の解釈で宮殿のタペストリーを表現し、天井から吊るしたシュールな生き物で部屋を埋め尽くしたフランス人アーティスト、アネット・メサジェの作品「彼らと私たち、私たちと彼ら」(2000)、コンピューターで制作されたイメージを使ってネオ・キッチュ・スタイルでインドの神々を表現したピエール&ジルの作品、フランク・スカルティによる、コンバーチブル・カーを自分の舌で洗車する男のユーモラスなビデオ「ダーティ・カー」(1997)や、さらには、18世紀の彫刻「互いの腕を握りしめるラダとクリシュナ」、アレクサンダー・マックイーンの監修の下に撮影されたニック・ナイトの写真やアフリカ独特のヘアースタイルの写真など、決して派手ではないが印象的な作品を数多く目にすることができた。

美というコンセプトが、有名なアーティストに参加してもらうための言い訳となっているようなものもいくつかあった。今回の展覧会で最もがっかりしたのは、クリスチャン・ラクロワによる街のデコレーション。明らかに彼は、才能をフルに発揮して彼に任せられた任務を遂行したとは到底思えなかった。

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