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ネットはロックンロールの新しい形なのか?

HAPPENINGText: Nicolas Roope

人口たった900万人の小さな国ポルトガル。南ヨーロッパの他の国と同じように、インターネットにはそれほど熱心ではないようだ。冬にはたった3時間しか太陽が顔を出さない北ヨーロッパのスカンジナビアあたりでは、家の中にこもってネットを楽しむほかないが、年中暖かい南で家の中でパソコンをいじる人が少ないのも、もっともだ。

今月は、CATについていろいろな人を話をしに行ってきたのだが、会ってみたいと思っていた人何人かに会うことができた。今や皆、あらゆるアートウェブ本に登場している JODI(ジョディ)には飽き飽きしているようだ。ジョディはポルトガルで活動し、彼等の作品はもちろん今も素晴らしい。ソースコードをネットアートの頂点にまで押し上げた彼等。画面がぐらぐら揺れ、白黒のブロックとピクセルがばらばらに表示され、ビーっという音やスクラッチ音が鳴り響き、何かいけないことが起こっているような感覚に襲われる。

TURUX.ORGで、DEXTRO(デクストロ)とコラボレートした LIA(ライア)にも会うことができた。CAT の一部として彼女の作品の展覧会が行われていて、全作品を見るのに1時間程かかった。ライアは、最初音楽を勉強し、その後ファッションに移行し、最終的にはコーディング、数学の虜となってしまった。彼女の作品をからは、これら全ての要素を見ることができる。

ライアは、オーストラリアのシーンの良さや、ウェブデザイン/アートのコミュニティーがいかに協力的かということについて語ってくれた。

ETOYのハンスも一緒にいたのだが、残念ながら彼とはあまり話をすることができなかった。その日の夜遅くに、バーで地元のビールを飲みながら彼を待っていたのだが、彼の言うアートとビジネスの境界についての話は、ビールを飲み過ぎてしまった僕には少し難しい話題だった。

実際にいろいろな人と会うのはいいことだ。彼等が皆、富や名声を全く望まずにやりたいことをやっているということに強く刺激を受ける。いつか、状況も変わることを信じている。ネットはロックンロールの新しい形なのだ。

僕の原稿のアップがいつも遅れているのに気付いている人もいるかもしれないが、実は、僕が去年立ち上げたオーブンのロンドンオフィスが今や50人ものスタッフがいる大オフィスに成長して、ロンドンのシーンで起こっていることについて記事を書く時間がほとんどないというのが事実。近頃僕は少しづつ年寄りになってきて、そのうちエステート(ステーションワゴン)に乗って FAURE なんかを聞いてペットの犬を可愛がるようになるかもしれない。

来月からは、将来有望で大酒や夜更かしにも耐えられる強い肝臓を持った若いウェブジャンキーに、SHIFTの特派員になってもらおうと思う。たまには僕も登場することになると思うけど。

K10Kでもいろいろやって行く予定なのでお楽しみに。

Text: Nicolas Roope
Translation: Mayumi Kaneko

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