リンゼン
PEOPLEText: Mayumi Kaneko
今月のカバーデザインを制作してくれたのは、オーストラリア、クイーンズランドを拠点に活動するリンゼン。様々なデザイナーとコラボレーションした展覧会を開催し、それをパッケージした「RMX」プロジェクトを発表した彼ら、クライアント/パーソナルプロジェクトの枠を超えて独自のスタイルを実現させつつ、プリント、ウェブデザイン、イラストレーション、フォント、キャラクター、アニメーション、音楽の各分野で、6人のメンバーそれぞれがクリエイティブな能力を発揮している。
はじめに自己紹介をお願いします。
リンゼンは、スティーブ、カール、クレイグ、エイドリアン、リラの5人で構成されているグループです。
リンゼンについて教えてください。どのような活動をしているのですか?
「RMX」プロジェクトのひとつの結果として、昨年結成しました。最近では、マット・オーエンスの「CODEX3」や、ベルリンの「デザイナーショック」の第2号にも参加しています。現在は、ファッション/カルチャー/アート雑誌、SLIKAの第1号を制作中で、他にも、FAMILYというクラブのアイデンティティからビデオプロジェクションまで、ビジュアルコンセプトの制作に取り組んでいます。
「RMX//ビジュアルリミックスプロジェクト」について詳しく教えてください。
まず、メンバーそれぞれが8つあるテーマの中から一つを選び、最初の作品を制作。そのファイルがそれぞれデザイナーに渡され、「変更、追加、削除」などの各ステップを経て「リミックス」されました。自分がリミックスする順番が来るまで誰もその前の段階は目にすることができません。8週間に及ぶリミックス過程が終わると、その結果として生まれた64作品が発表され、その結果、徐々に進化していくものもあれば、バラバラに刻まれ違うものへと変化したものもあり、カラフルで反復性のあるデザイン要素に富んだベクトルとピクセルの融合を目にすることができました。
展覧会のオープニングでは、ミシン目入りの巨大ポスターなどを含む「RMXパック」を発表しました。パッケージには、デジタル操作によって録音されたボイスサンプルで構成されるミュージックCDもセットになっています。
「RMX//ビジュアルリミックスプロジェクト」を始めたきっかけは何ですか?
シュールレアリストの芸術家達が行なったゲームで、数多くのミュージシャンやアーティストにインスピレーションを与えた「優美な屍骸」と同じようなことをやろうと考えたのがきっかけです。プロジェクトは自発的で楽しく、制約なしに何かをする良いきっかけとなっています。
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