ヘイト地区を中心に、ほんの数マイルの範囲で受信可能なラジオステーションがある。ドクロのロゴが、まるで怪しい違法パイレーツのようなこのラジオ局「KUSF」は、実はゴールデンゲートパーク沿いにあるサンフランシスコ大学の運営によるもので、玄人好みのインディーミュージックを中心に、カレッジラジオならではのユニークなプログラムを展開している 。他局では決して聞けないような選曲が売りといったところだろうか。実際、50以上もラジオ局があるサンフランシスコで、KUSFは小規模ながらもその内容の面白さから、メジャーな局と張り合うほど人気があるステーションとなっている。

なかでも、毎週土曜の15時から2時間放送されるドラムンベースのショウケース「Future Breaks」では、3人のレギュラーDJに加え、地元ベイエリアのレコーディングアーティストや、国内外からの著名DJ達もゲスト出演したりと、最新のアンダーグラウンドなカットをリスナーに提供している。11月27日の放送では、第100回オンエアーを記念して、808ステイトの初期キープレイヤー、ジェラルド・シンプソン（ア・ガイ・コールド・ジェラルド）が特別出演した。808ステイトをグローバルにプッシュした大ヒット曲「パシフィック・ステイト」（1989年）を書いたのは、実はジェラルドだったというのは、あまり知られていない事実である。本オンエアでは、K7からリリースされる新作をはじめ、ジェラルドの最近の活動状況がチェックできる内容となった。

同じくサンフランシスコのウェブキャスティングサイト「ベータラウンジ」は、エレクトロニックミュージック全般をカバーしたプログラムで、毎週木曜19時から23時にライブ放送を行っている。ローカル及びインテーナショナルDJ達をフィーチャーしたベータラウンジのスタジオでは、オーディオだけでなく、イベントのライブ映像も発信しており、単なるラジオ局というよりは、むしろウェブ上でクラブ的な体験をシュミレートすることを試みているようだ。このサイトでも過去の番組アーカイヴが楽しめる。要チェック！