ISCAPES 1.0

HAPPENING

建築を学んだ人でも、ほとんどの建築に関する仕事は難しいもので、最小限の理解しか得られない。特にデジタル分野に関するものの場合、思考とビジュアル的なものは、詩や音楽と同じように、ただ楽しめるものであればいいというように、安易に評価されている。


NYのリズ・アン・クーチャーとハニ・ラシドの2人による、「Asymptote Architecture」では「Iscapes 1.0」というデジタルカルチャーのための消費可能な建築物の展示を行っていて、どういったものが似ている、または少なくとも似ていると感じるものと思われているかということを教えてくれる。
ソーホーの「Frederieke Taylor | TZ’ Art」というギャラリーの2階というささやかな場所で、24フラットのLCDスクリーンと反射するガラスと金属のインスタレーションを組み立てた奇妙な形のしみのようなものが、グリッドや家庭用の装置のようなものに投影されて、ひとつの映像として融合されている。これがどうして建築物だといえるのか不思議なんだけど。

それを見た後では“建築とは何か”という論争はそんなに重要ではなく、僕が期待していた通り、ものの形に対しての探究が重要なんだということが分かる。
LCDスクリーンが投影されて、チューインガムのようなあざやかな色のガラスのパネルか次から次へと反射する。そして『偶然とは無縁の、可能性とありふれたものとの間にある空間』などと書かれている説明は無意味な気がしてくる。その堅苦しい説明文を理解することや、その形が何なのかということをはっきりさせようとすることは本当の目的ではない。
そのチューインガムのようなものを見ているうちに、ちょっとかじってみたい気分になった。フルーツの甘い味がするような気もするんだけど、たぶん実際かじってみると金属のイヤな味しかしないだろう。
その感覚は新しいマッキントッシュを見たときの僕の最初のリアクションと似ている。

「Asymptote」と同時に「OffSideOn」という展示もチェルシーの「the Henry Urbach Architecture Gallery」で、3月末まで開催中。

Text and Photo: Eddie Pak From SUCTION.
Translation: Mayumi Kaneko for SHIFT

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