「モーターサイクルのアート」展

HAPPENINGText: Eddie Pak

毎週金曜夕方のグッゲンハイム美術館は入館料無料というか、寄付金として各自払えるだけ払うというシステムになっている。というわけで、88番ストリートをぐるりと埋め尽くす行列に並んでミュージアムへと入館することにした。

先週末の展示内容は「モーターサイクルのアート」展だった。芸術評論家や近所の一般市民からも『何故、グッゲンハイムはアートと直接関わり無いバイクなどを展示するのか』という酷評をものともせず、今回の展示は実に、過去しばらくの間でもかなり成功を収めたものに違いなかった。

会場は、過去130年に渡る驚くべきバイクに関わる工業デザインとエンジニアリングを一同に集め、ライト兄弟の飛行機に始まり、至る所から眩いばかりに照り返すぴかぴかに磨かれたメタルに圧倒されるが、一番の見物は、やはり建築家フランク・ゲリーの手による会場のインテリアデザインの素晴らしさかもしれない。内側はすべて鏡のようなパネルで覆われ、移動していても方向感覚を失うほどだ。

時代順に8つに区切られているのだが、個人的にはバイクの歴史よりその工業デザインとしての美しさのほうに魅力を感じる。1868年のフランスの自転車にミショー・ペローの蒸気機関がくっついていたり、ゴトリー・ダイムラーの木製バイクはなかなか面白い。しかしながら見せ場はやはり素人にも理解しやすいバイクのデザインの美しさであるに違いない。

展覧会では、トライアンフ、ホンダ、ハーレー・ダヴィッドソン、ドカッティ、ヴェスパ、インディアン、カワサキ、BMWなど、ヨーロッパ、日本、アメリカのほとんどのバイクを一挙に網羅していた。
中でも注目を集めていたのは、白い魚のような流線型のケースに格納されていたBMWで1937年の地上最速マシーン。そして1969年にデニス・ホッパーがイージー・ライダーで乗ったハーレー・ダヴィッドソン、オレンジとグレーのフィリップ・スタルクのアプリリア・モト6.5。そして、“あの”ジェリー・サインフェルドが一人で会場は歩き回ってバイクをしげしげと眺める姿もまた格別であった。

「モーターサイクルのアート」展
会期:1998年6月25日〜9月19日
会場:グッゲンハイム美術館
住所:1071 5th Ave, New York, NY 10128
https://www.guggenheim.org

Text: Eddie Pak
Translation: Satoru Tanno

【ボランティア/プロボノ募集】翻訳・編集ライターを募集中です。詳細はメールでお問い合わせください。
コントワー・デ・コトニエ公式通販サイト | 2016 SUMMER SALE
MoMA STORE