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端聡

札幌を拠点に活動するクリエイター端聡は、現代美術にとどまらず、グラフィックデザイン、インテリアデザイン、建築、ファッションなどそのフィールドは多岐に渡る。
「Immaculate Concept」は、端聡とファッションデザイナー児玉美紀とのコラボレーション。芸術としてのファッションをコンセプトにエキジビションとして作品を発表するインディペンデント・ファッションブランドである。
そのエキジビジョンと個展を10月にドイツ・ハンブルグで開催するという、出発まぎわの端聡氏にお話を伺った。


はじめに自己紹介をお願いします。

端聡(はたさとし)、現代美術家、1960年札幌生まれ。1983年頃から札幌を中心に作品発表をし始め、後に東京、京都、名古屋などのギャラリー、美術館に活動範囲を広げ、1995年にはドイツ政府管轄ドイツ学術交流会(DAAD) の招きにより約1年間ドイツに滞在。帰国後、東京上野の森美術館で行われた(VOCA展)にて、VOCA奨励賞を受賞。ハンガリー、ブタペストで行われたブタペスト国際彫刻絵画ビエンナーレ'96でブタペスト美術教育財団賞を受賞。また同年、北海道立近代美術館で行われた「今日の北海道美術」に選出され、道内4カ所の道立美術館で巡回しました。
今年1998年は北海道立近代美術館で行われた、アジア15カ国による「アジアプリントアドベンチャー」に日本人作家として参加。最近はドイツと札幌を中心に作品発表を行っています。1997年からファッションデザイナーの児玉美紀とのコラボレーションによる、芸術としてのファッションブランド「イマキュレートコンセプト」を結成し、エキジビションを中心に発表しています。


イマキュレート・コンセプトについて教えてください。

私、端聡とファッションデザイナー児玉美紀とのファッションブランドです。
コンセプトは単純明快、芸術としてのファッション。
販売ルートを持ちませんから、基本的に機能性、合理性、マーケットを考えません。あくまでも表現主義的であり、コンセプチャルアートの範囲です。先ほども、述べた通り、販売ルートを持ちませんから、エキジビションを中心とする新作を年に2度発表しています。


服づくりを始めたきっかけは何ですか?

あるローカルな、雑誌の取材で、芸術以外にやりたいことはありますか、と質問されたとき、「服なんて作ってみたいなあ」と答えたところ、それを見たあるファッションプロデューサーに北海道新聞主催、ファッションプロジェクト#1(テーマ:アートとファッションの融合)に誘われ児玉美紀と共にファッションデザイナーとしてデビュー。その時の舞台デザイン・映像・パフォーマンスなどを手掛け、現代美術でいう、インスタレーションをファッションの場で行うことができたことです。


端さんは現代美術作家としてキャリアがありますが、このことが服づくりにとってどのように活かされていますか?

私は服のデザインも現代美術として考えているので、特別な違いは感じていないのが本当のところです。
ただ私は、この通り芸術至上主義で、デザイン画、又はコンセプトワークも実際に作る側、着る側の事は、あまり考えていません。ですから、一緒に組んでいる児玉美紀の方が、相当苦労していると思います。
例えば、シリコンゴムで作られたコートなどは、重さが約20キロもあるので、実際モデルさんが着る場合も、相当つらいのではないかと思うのですが、私はやりたいことを優先してしまいます。
基本的に芸術家はわがままです。しかしそのわがままが、いかされているのがイマキュレートコンセプトと勝手に思っています。私は、服の事をあまり知らない方がたぶん、良いのではないかな。


具体的にはどのように制作しているのですか?

具体的には最初のデザイン画、コンセプトワーク、素材は私が考えます。次に、児玉美紀と実際に服として成り立つか、成り立たないかを話し合い、方向が決まり次第、基本形のパターン、デザインを児玉美紀が作り立体裁断まで完成させます。その後、工場に委託するというのが、通常の製作プロセスです。
ただ、最終的にデコレーションする場合、私が実際に手を動かす場合があります。最新作はほとんどこれが多いです。


今回の展覧会は同時にファッションショウをハンブルグで開催しますが、なぜハンブルグなのでしょう?

展覧会は、私が4年前にドイツに約1年滞在していたこともあり、ドイツの美術関係者を多く知っていることによります。またハンブルグには、特に親しいアーティストや、日本人ディレクターの佐藤幹子さんがいるので、これから先も第二の拠点になる可能性が高い場所でもあります。
ファッションに関して言えば、ハンブルグは、あの有名デザイナー、ジル・サンダーの拠点であることから、ファッションは大変盛んです。若手デザイナーも多く、今回イマキュレートコンセプトのコレクション会場も、若手デザイナー15人で運営するスペースで行います。
もう一つ理由を挙げれば、ハンブルグは、ドイツ第二位の都市でありながら、自然が多く、大変美しい街です。個人的に好きな場なのです。


どのような内容になりそうですか?

現代美術の個展会場は、今年北海道立近代美術館で発表した作品を展示します。
内容は、高さ約5m、幅3mの巨大な親子の写真が、2枚壁面と床面に配置され、2台のスピーカーから、インタビューをサンプリングした音声を、40ヘルツにしたものを流します。
タイトルは、複製(コピー)。現代社会の親子関係、ジェネレーションによる、思想の違い、人類の永遠なるコピー(親子)遺伝子(DNA)などをコンセプトにおいた作品を、主に全7作品を展示する予定です。
ファッションの方は、イマキュレートコンセプトの服の中でも、より芸術的趣向の高い作品を、約25点発表します。モデルは、日本から4名が参加し、現地のモデルを含め、ほとんどが日系人。スタイリストや、ヘアメイクも、日本から来ることになり、ハンブルグのヘアデザイナーとの、コラボレーションになりそうです。


ファッション界の変化というか、いま世界中でファッション以外のデザイナーたちがインディペンデントなスタイルで服づくりを行っています。そのことについてどう思いますか?

大変面白く思っています。1900年代初頭にファッションショウを初めて行った偉大なるポール・ポワレも前衛美術・映像・音楽などから多くの影響を受け、今までの服飾の範囲を大胆に改革したのは周知の事実です。
どんな文化でも異文化との交流によって新たな文化が生まれる事は歴史でみてもわかりきった事だし、これからはもっとこの傾向は強くなると思います。
ファッションに限らず様々な文化で同じ事があっても良いし、私自身も現代美術の他にファッションデザイン、グラフィックデザイン、インテリアデザイン、建築デザインを現在やっています。
様々なアーティストがマルチになってよいのではないかと思います。


札幌で活動することについてどう思いますか?

数年前までは、札幌は地方都市と感じていました。しかし今は、地方ではなく地域だと考えています。札幌も世界の中の一つの地域という事です。
ただし、東京と比べると確かにクリエイティブな仕事は少なくマーケットやチャンスを考えた場合、多少不利な点はありますが、情報だけを考えると差は無いと思います。
今はインターネットもあるし、いわゆる中央の情報を横目で見ながらアトリエ(仕事場)などの立地条件の良さを武器に程良いスタンスを保ちながら、フォーカスを世界に向けられる事を考えると、札幌はなんと良い所だと最近感じます。
あとは、なにせ生まれた所ですから、ここから何かを発信したいという欲望が強いです。


今後のプランについて教えてください。

とりあえず、今決まっている予定としては、美術はブレーメン(ドイツ)での個展、名古屋での個展・横浜ポートサイドギャラリーでのグループ展、札幌での個展。
ファッションでは、札幌、ドイツ、東京の予定です。
今、興味のある事としては私より若いクリエイターをプロデュースする事です。


最後にハンブルグ近郊の読者にメッセージをお願いします。

こんにちは、端聡です。ハンブルグで美術の個展を別会場でファッションショウを行います。
私は4年前にブレーメン近郊のヴォルプスヴェーデに約1年間滞在していました。
もともと私はドイツが大好きで、尊敬するヨーゼフ・ボイスやゲルハルト・リヒターの国だということも、このことを助長しています。
とにかく、ドイツも含めヨーロッパはすばらしい、いや、懐かしい感じすらします。
この様に感じる場で私のエキジビションが出来るのは本当に幸せです。是非、時間がありましたら、個展とショウを見に来て下さい。


CAI現代芸術研究所
住所:札幌市中央区北1西28丁目2-5
TEL:011-643-2404
http://www.cai-net.jp

Text; Satoru Tanno

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