マックス・エルンスト回顧展

HAPPENINGText: Anthony Augendre

先月のフーリガン騒ぎが伝えられたが、こんなジョークも各チーム勝ち上がるに連れ、ジョークで済まされなくなりつつあるフランス。サッカーのサポーター達が如何に街頭で暴れまわってもしっかりと文化的営みが行われているここパリから今年必見の展覧会を一つ紹介しよう。

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ポンピドゥー・センターでのマックス・エルンスト展。前回の回顧展は7年前に行われた。マックス・エルンストはフランスが誇るシュールレアリストだが、パリジャンたちはこの展覧会を待ちわびていた。

今回は「Sculptures, maisons, paysages」(彫刻、家屋、風景)と題され、時代順に仕切られた12の部屋にいままで公開されていなかった絵画、彫刻などが陳列されている。主に彫刻が中心となっていて、ユーモラスな雰囲気が微妙に伝わってくる。

アフリカの原始的なアートに触発された彫刻群はフランス人から見ればまるで宇宙人のようでもあり、巨大なサイズに作り直された彫刻は、得体の知れない化け物が天井から我々を見下げているかのようでもある。もちろん人によって解釈は異なるが、この解釈の多様性こそがマックス・エルンストのシュールレアリストたる由縁でもある。

Max Ernst “Sculptures, maisons, paysages.”
会期:1998年5月9日〜7月27日
会場:ポンピドゥー・センター
住所:Place Georges Pompidou, 75004 Paris
TEL:+33 (0)1 4478 1233
https://www.centrepompidou.fr

Text: Anthony Augendre
Translation: Satoru Tanno

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ステファン・マークス
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