マルク・ングイェン

PEOPLEText: Satoru Tanno

今回SHIFTのカバーグラフィックを制作してくれたのは、パリで活動するグラフィックデザイナーで、サイト「DOTMOV」をオーガナイズしているマルク・ングイェン。「シャーマン」というパリのマルチメディア・デザインチームの一員としても参加し、数々のマルチメディア・コンテンツを手がける彼に、パリのデザインシーンや、シャーマン、そして自身の活動についてお話を伺いました。

まず、自己紹介をおねがいします。

マルク・ングイェン、24才。グラフィックデザイナーです。ティーンエイジャーの頃は、ミュージシャンになりたいと思っていましたが、エレクトロニックアートや、商業的なアートについてよく考えた結果、デザインに興味を持ちました。それで、パリのヴィンセン・ユニバーシティーで、モーションピクチャーとブロードキャスティングの勉強をしました。その後は、グロリエ・インタラクティブで働きはじめ、グラフィックデザイナーとして2年間働き、その後フリーになりました。現在一番のクライアントはシャーマン・デザインカンパニーで、今はそこのスタジオで仕事をしています。

自身のサイト「DOTMOV」について教えてください。

最初、僕の仕事は、ウェブデザインに深く関わっていました。実際、90%がウェブデサインでした。現在、ウェブデザインにかける時間はそれほど多くはありません。自身のプロジェクトに費やす時間もだんだんと減ってきています。今は2ページほどの小規模だけれども、人のアイディアやフィーリングといったような、何かしら効果のあるウェブにしたいと思っています。

今は、スモール・ビジュアル・ポエトリーのシリーズを手がけていて、それをサイトに加えようと思っています。ウェブを通して、特別にゴールや目的を持っていない人たちにとって、かなりの不安があるということは知っています。そしてウェブの人気は、その内容の統一性に大きく左右されるということも知っています。そのことについては特に気にしていません。というのも、僕自身のゴールや興味は、この個人的なプロジェクトを開始した時から、常に変化しているからです。

実際、「グラフィックデサイン」というオンラインのスタッフの全体的な目的は、はっきりしていないように思えます。それは、インターネットに存在する全てのものと、本当に役に立つものとの間での、とてもシンプルな方程式の結果、生まれてくるものなのです。

ヘヴィーなサイトやパーフェクトなデザイン、書体、そしてアニメーションや革命的なテクノロジーなどの、全ての種類のものを沢山見てきました。と同時に上辺だけの内容のものも沢山ありました。しっかりとしたテキストと、本当に意味のある内容があれば、ウエブは発展することができると思います。僕のいちばん好きなサイトのスタイルは、デザイン重視のサイトではなく、内容重視のものです。

シャーマン・グラフィックデザイン・スタジオとの関係を教えてください。彼らは主にどのような仕事をしているのですか。

シャーマンは、いろいろなデザイン能力を持ったグループのデザインスタジオです。プリント、マルチメディア、オーディオビジュアルデザインをプロデュースしています。彼らは、パリではかなり独特で、ほとんどのクライアント団体からファッションブランドまでを、オルタナティブなやり方で考えています。このような組織は、アメリカでは普通だけれど、パリではとてもめずらしいと思います。なぜかは僕にも分かりません。

先に言ったように、僕は彼らのスタジオで仕事をしています。主に、オーディオビジュアルとマルチメディアプロジェクトを担当しています。それはかなりホットで興味深いプロジェクトです。彼らの創造性と、デザインを幅広い分野で理解しそれを実行する方法を持っていることをとても尊敬しています。

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