タラ・ドノヴァン「 無題(マイラー)」
私自身がタラ・ドノヴァンの作品に心酔していることをまず認めなくてはならない。単純に、ニューヨークに住み始めたこの10年で鑑賞した中でベストの作品である。 今でも鮮やかに思い起こすのは2002年に訪れた空間。床には珊瑚...
私自身がタラ・ドノヴァンの作品に心酔していることをまず認めなくてはならない。単純に、ニューヨークに住み始めたこの10年で鑑賞した中でベストの作品である。 今でも鮮やかに思い起こすのは2002年に訪れた空間。床には珊瑚...
暑く湿気の多い金曜日の午後、マンハッタンの南端に位置するガバナーズ島へ家族旅行に出掛けた。私用車での島への出入りは禁止されており、ニューヨークの通りに満ちている汚れた空気、雑音、交通渋滞などから離れて、広大な開けた空...
6月25日、MoMAの別館のP.S.1コンテンポラリー・アート・センター(以下、P.S.1)は、毎年恒例のニューヨーク市民に向けた企画「ヤング・アーキテクト・プログラム」を開始した。今年の受賞プロジェクトは、ミュージアムの中庭風景を再...
今こそ生後3ヶ月の息子に、初めて巨大なアートインスタレーションを体験させる絶好のチャンスだ、と私は決意した。その機会とはクリスチャン・ボルタンスキーの「ノー・マンズ・ランド」。30トンもの古びた衣服がパーク・アベニュー...
75回目を迎えるホイットニー・ビエンナーレは少し変わったショーだ。過去2年のアメリカンアートを総括しているというよりは、どちらかと言えば、不況、戦争、ノスタルジアを反映した表現をしている。55人のアーティストによる作品の...
ティム・バートンの広範囲に渡る作品の回顧展が4月26日までニューヨーク近代美術館で開催中だ。会場は、2つのフロアで構成され、彼の有名な映画、シザーハンズ、ナイトメアー・ビフォア・クリスマス、バットマン、マーズ・アタッ...
9月17日から20日までの週末の間、ニューヨークは創造と表現の実験室に変身した。これは「 コンフラックス・都市心理地理学フェスティバル」の一貫である。ギィ・ドゥボールによって作られた「心理地理学(サイコジオグラフィー)」と...
8月始めの1週間、ニューヨークはブラジル的な一面を現す。そして、トライベッカ劇場で開催の第7回ブラジリアン・フィルム・フェスティバルで判断するに、距離だけではブラジル文化の活気を感じることと、マンハッタンを切り離すこ...
昨年までニューヨークの街では不動産ブームが果てしなく続いていくように思われていた。特にブルックリン地区は顕著に市場がまだ上がり続けると予見した現金主義なディベロッパーの恰好な舞台となる。「高級集合住宅」はその地域の環...
都会の扉は世界を見渡しても最も頻繁にストリート/グラフィティ・アーティストに好まれているキャンバスであろう。そのフレームは神出鬼没のアーティストに束の間の隠れ家を与え、その表面は外の世界に向けて公文書さながらに公布さ...
Design Glut "Dow Jones Handkerchief" ニューヨークの5月は、「デザイン・マンス」(デザイン月間)と呼ばれるように、ICFFやブルックリン・デザインが展示会にさざなみをたたせ、市内でオープンスタジオが行われる。ローカル...
ニューヨークの近年でも稀にみる寒い冬を迎えている。でも家にこもり冬眠するにも限界がある。12月のある週末、僕たちは展覧会を見に行くことにした。家の中でブランケットに包まり、じっとしているよりも、暖かい美術館で温まりなが...