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デザイナート トーキョー 2025

HAPPENINGText: Sébastien Raineri

表参道に新たにオープンするギャラリー、ア・ライトハウス・カナタは、西麻布からの移転を祝し、現代アートを通じた異文化間対話へのコミットメントを再確認するグループ展「OPENING CEREMONY II」を開催。
渋谷の SLOTH GALLERYでは、ロサンゼルスを拠点に活動するストリート系グラフィックアーティスト、フィリップ・ランバンが、勇気と脆さについての私的な考察を持ち込む。これは、フェスティバルの中心テーマ「Brave 〜本能美の追求〜」に呼応するものである。
一方、大蔵山スタジオは、伊達冠石だてかんせきに宿る自然のありのままの魅力を際立たせる。ここでは、山田能資が自ら大蔵山を歩いて選び抜き、磨き上げて彫刻的な花器を制作し、石がそのものが秘める、内在的な力と静かな品格を露わにしている。
日本橋では、アトリエマティックが「FONTE」を発表。これは、光沢のあるアクリル作品と、空間を瞑想的な輝きで包み込む大型ランプシェードを通して、自然素材と合成素材の間の緊張を探求するものだ。


Atelier MATIC, FONTE ©︎ Kohei Yamamoto

アートとデザイン、そしてテクノロジーの対話は、東京ミッドタウンへと広がる。
レンジローバーとクライン・ダイサム・アーキテクツが、自動車と建築の革新を融合させるインスタレーションを公開。彼らのコラボレーション「RANGE ROVER SV BESPOKE」は、素材とパーソナライゼーションを通じてラグジュアリーを再構築し、東京ミッドタウンのキャノピー・スクエアを、動き、形、そして現代のクラフトマンシップの対話へと変貌させる。フェスティバル期間中、レンジローバーはオフィシャルカーのパートナーとしても機能し、都内の複数の会場とクリエイティブハブを繋ぐ。
最後に、コラボレーションの精神は、代官山蔦屋書店で一夜限り開催されるイベント「CREATIVE BLEND」で最高潮に達する。ここでは、アート、建築、ファッション、デザイン界をリードする30人の著名人が人と人を繋ぐコネクターとして集い、参加した多くの人々が、クリエイティブに関してアイデアを交換し、新しい相乗効果を生み出した。


Range Rover|Range Rover SV Bespoke with Klein Dytham architecture ©︎ Yosuke Owashi

デザイナート トーキョーが第9回目を締めくくるにあたり、東京は再び創造性のグローバルな結節点としての地位を改めて確固たるものにした。この10日間にわたり、本フェスティバルは街路、ギャラリー、そして日常の空間を想像力の実験室に変え、アーティスト、デザイナー、そして観客を、美と意味の共有された追求へと結びつけた。職人による洗練された技巧、新進気鋭の才能による実験的な視点、あるいはインタラクティブなインスタレーションのデジタルな詩を通じて、デザイナート トーキョーは可能性を称賛する場として、アートと生活、伝統とテクノロジーが共に未来へと向かうときに生まれる 無限の創造性の生きた証しとして存在するのである。

DESIGNART TOKYO 2025
会期:2025年10月31日(金)〜11月9日(日)
予定エリア:表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・銀座・東京
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
https://www.designart.jp

Text: Sébastien Raineri
Translation: Hoshino Yoshihara
Photos: Courtesy of DESIGNART TOKYO

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