CHANEL PRESENTS “LA GALERIE DU 19M TOKYO”

HAPPENINGText: Sébastien Raineri

併設の「ルサージュ 刺繍とテキスタイル、100年の物語」展では、現代工芸における最も傑出した物語の一つをたどる。1924年に創立され、現在はル・ディズヌフ・エムの一員である刺繍工房メゾン・ルサージュは、100年以上にわたり刺繍と織物の境界を押し広げ、オートクチュールの視覚的・物質的言語を形作ってきた。


ルサージュの工房を再現した空間

ルサージュは創業当初より、革新性、精密さ、想像力の代名詞となった。このアトリエの芸術性は、ファッション界で最も先見性のあるデザイナーたちの作品に彩りを添えつつ、伝統と実験の対話に深く根ざし続けている。三代にわたる匠の技を受け継ぐルサージュの遺産は、技術的熟達の記録であると同時に、革新の力への生きた証でもある。


ルサージュで使用される素材

ルサージュとシャネルの関係は創造的な共生であり、手仕事の芸術性への揺るぎない信念を共有する二つのメゾンの永続的な対話である。ガブリエル・シャネルが初めてオートクチュールコレクションを発表してから一世紀を経た今も、彼女の工芸への理解はシャネルのアイデンティティの核心にある。彼女は、ファッションにおける革新が、布地を詩へと昇華させる最高峰の職人——刺繍師、プリーツ職人、帽子職人、織物職人——との協働と切り離せないことを理解していた。何世紀にもわたって形作られてきたこのパリの生態系は、工芸とオートクチュールが不可分である文化を生み出した。この文脈の中で、糸、色彩、ビーズが物語を紡ぐ道具となる工房としてルサージュはその最も輝く星の一つとして登場した。


シャネルのネイルカラー

本展示では、刺繍と織りが精密さと芸術性の交響曲となって融合するルサージュの内部を、めったに見られない形で公開している。展示されている道具や見本のひとつひとつには、数えきれないほどの労働の痕跡が刻まれている。絹で張られた枠、金属糸を巻いたボビン、変容を待つ針。ここでは工芸は親密でありながら集団的なものであり、世代から世代へと受け継がれる身振りの舞踏なのだ。

カール・ラガーフェルドが1983年にシャネルのクリエイティブ・ディレクターに就任した際、彼は大胆なビジョンを提示し、オートクチュールの伝統を現代に蘇らせた。フランソワ・ルサージュは、彼と精神を同じくする同志であり、二人は伝統と革新の対話を再定義し、刺繍を現代的表現の場へと昇華させた。彼らの協働はシャネルの歴史に刻まれる記憶に残る質感を生み出し、モノクロームは光る表面へと再解釈され、バロック調のモチーフは驚くほど新たな姿で蘇った。このパートナーシップは、時代を超えながらも常に進化し続けるシャネルの本質を捉えていた。

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チーヤン・チェン
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