ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム
HAPPENINGText: Alma Reyes
チェア以外にも、テーブルやキャビネット、スツールが展示されている。《アカデミーキャビネット》(1955年)は、黒く酸化されたスチールフレームとオレゴンパイン材でできており、9つの引き出しが付いている。洗練された幾何学的な明晰さの完璧な見本であり、手作業でカットされたハトメ継ぎとスチールの取っ手だけが細部に施されている。ケアホルムはここでも、天然木に工業素材を巧みに取り入れ、構造の明快さを強調している。
ポール・ケアホルム《アカデミーキャビネット》(1955年)織田コレクション/北海道東川町蔵 撮影:大塚友記憲
ケアホルムは自身の作業方法を次のように定義している『まずは、物理的な機能性。正しい姿勢で椅子に座れること、そして丈夫で耐久性があること。素材や道具の選択には、構造的な制約がかかる。椅子が素材や道具の個性と共鳴する自然な形を持つこと。椅子の美しさを最大限に引き立てなければならない。』(「ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム」カタログより)
最後の部屋では、美術館所蔵のジョルジュ・ルオーの絵画に囲まれながら、本展出品作品の現行品(椅子)に実際に座ることができるコーナーも設けられている。
ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム
会期:2024年6月29日(土)〜9月16日(月・祝)
開館時間:10:00〜18:00 ※8月2日(金)、9月6日(金)、13日(金)、14日(土)は 20:00まで開館(入館は閉館の30分前まで)
※土・日・祝日は要日時指定予約
休館日:水曜日(ただし9月11日(水)は開館)、8月13日(火)〜16日(金)
会場:パナソニック汐留美術館
住所:東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://panasonic.co.jp/ew/museum/
Text: Alma Reyes
Translation: Saya Regalado
Photos: Yukinori Otsuka, Courtesy of Oda Collection (Higashikawa)