「マティス 自由なフォルム」
HAPPENINGText: Alma Reyes
マティスの官能的なブロンズ彫刻を集めたエリアがあり、いくつかのセクションに点在している。《横たわる裸婦II》」(1927年)、《サーペンタイン》(1909年)、《マドレーヌII》(1903年)など、その抽象的な形は、マティスお気に入りのモデルであったジャネットやアンリエットのような、豊満で官能的な女性像のシルエットを思わせる。

アンリ・マティス《横たわる裸婦II》1927年(鋳造1953年) オルセー美術館蔵(ニース市マティス美術館寄託)© Succession H. Matisse Photo: François Fernandez
マティスはこのような女性的な輪郭の解釈でも知られている。これらは、《青い胴着の女》(1935年)、《肘掛け椅子の裸婦、緑の植物》(1936年)、そして女性を描いた版画やドローイングにも見られる。《アラベスク》(1924年)や《アフリカのタパの前の人物》(1929年)のように、彼はしばしばモデルに東洋的な衣装を着せ、エキゾチックなオブジェを添えている。

アンリ・マティス《大きな顔、仮面》1951年 オルセー美術館蔵(ニース市マティス美術館寄託)© Succession H. Matisse Photo: François Fernandez
ペン、インク、グワッシュによるドローイングの幅広いコレクションが展示され、来館者は畏敬の念を抱くことだろう。1943年に出版された素描集《主題と変奏》は、1941年から1942年にかけて描かれた160枚から成る。1946年から1952年にかけて、マティスは、象徴的な作品となった《大きな顔、仮面》(1951年)など、数え切れないほどのインクと筆による顔の素描を制作した。

アンリ・マティス《花と果実》1952-1953年 ニース市マティス美術館蔵 © Succession H. Matisse
展覧会最大の壁面展示である《花と果実》は、アメリカ人コレクターがマティスに依頼し、彼のロサンゼルスのパティオに巨大な装飾を施したものである。この作品は、ニース市マティス美術館のメインホールの主要な展示となっている。マティスは切り絵の技法を用い、4つの切り絵のマケットからなる5つの共同カンヴァスを制作した。4枚の花びらや3つの果実が繰り返され、縦縞の青い2本の柱が側面に並んでいる。画家が切り絵の技法を完成させたのは1940年代で、切り紙絵はますます自律的な表現方法としての地位を確立することとなる。
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