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「マティス 自由なフォルム」

HAPPENINGText: Alma Reyes

最後に、素晴らしいヴァンスのロザリオ礼拝堂の内部再現に入る。この礼拝堂は、マティスの最も由緒ある業績のひとつである。1947年、彼はヴァンスのロザリオ修道院に住むドミニコ会修道女のための礼拝堂の設計を依頼され、1948年から1951年にかけての4年間、マティスはヴァンスにあるドミニコ会の修道女のためのロザリオ礼拝堂の建設に専心した。


ヴァンスのロザリオ礼拝堂内部のレプリカ

本セクションでは、ヴァンスのロザリオ礼拝堂にまつわる作品や資料を紹介。マティスはこの礼拝堂の室内装飾から典礼用の調度品、そして典礼のさまざまな時期に対応する祭服に至るまで、デザインのほとんどを指揮し、総合芸術作品として練り上げた。祭壇の後ろの北壁には聖ドミニクス、身廊の北壁には聖母子、東壁には十字架の道行が描かれ、ステンドグラスの窓から差し込む色とりどりの光が、壁面や床面に、豊かな色彩が反映されるように設計されている。


アンリ・マティス《ステンドグラス、「生命の木」のための習作》1950年  ニース市マティス美術館蔵  © Succession H. Matisse  Photo: François Fernandez

ヴァンスのロザリオ礼拝堂の内装を補完するものとして、司祭の上祭服の部屋も見逃せない。緑、黄、ピンク、青、紫、黒、白など、楽しい色彩と切り絵のような模様で装飾されたそれらは、典礼暦に基づく宗教的シンボルに沿っている。

特設コーナーでは、マティスと日本との関わりを紹介。特に、1951年に東京国立博物館で開催された「マティス展」(読売新聞社主催)の出品作を紹介する。その他、同紙や文藝春秋に掲載された作品も展示されている。

また、国立新美術館内のレストラン・カフェでは、本展会期中、コラボレーションメニューが実施。それぞれ、マティスの絵画をモチーフとしたスペシャルメニューを味わうことができるので、機会があれば体験してみてほしい。

マティス 自由なフォルム
会期:2024年2月14日(水)~5月27日(月)
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)*入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(ただし4月30日(火)は開館)
会場:国立新美術館 企画展示室 2E
住所:東京都港区六本木7-22-2
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
https://matisse2024.jp

Text: Alma Reyes
Translation: Saya Regalado
Photos: Courtesy of The National Art Center, Tokyo

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